ガンについて「ガンを悪化させない食養生が大切」

 最近、八木田博士によって発見されたAHCCは、キノコの菌糸体の細胞壁を酵素処理して得た植物性多糖体ですが、これがインターロイキン12を産生させることを先週述べました。また、サメは非常に悪環境の場所でもガンを作らないことから研究が進められ、サメの軟骨には新生血管阻害作用のあることが判明しました。ガン細胞が1~2立方ミリメートル前後の大きさになると、近くの血管からガン専用の血管を新生して、そこから栄養と酸素をとって自律的にどんどん増殖していくのですが、サメの軟骨にはこの新生血管ができるのを抑制し、ガンの増殖を抑える作用があるといわれています。また優れた鎮痛作用も確かめられているのです。
 それに加えて、インターロイキン12の産生によって、ガン細胞にHLA抗原とガン抗原の2つの目印を掲げさせ、ガン細胞をマクロファージやキラーT細胞などの免疫細胞を活性化して攻撃し、またガン細胞を栄養する新生血管の生成を阻害します。ただし、成長期にある子供はサメの軟骨の服用は、成長を阻害する可能性があるので注意が必要です。つまり、ガン細胞を兵糧攻めにして血管からの栄養や酸素の供給を阻害すれば、ガンは縮小もしくは死滅することになります。
 またビタミンの抗ガン作用もあなどりがたく、ビタミンA(β-カロチン)には新生血管阻害作用があり、ビタミンC・Eにはガン遺伝子を増殖させる活性酸素の産生を抑制する働き、またビタミンDには腫瘍の縮小、ガン遺伝子修復などの働きがあるといわれています。このように、ビタミン一式は単なる栄養補給ではなく、ガン抑制に積極的な意味があるといわれています。
 はじめにアポトーシス(細胞の自死)の話をしましたが、サメ軟骨が新生血管を阻害すると、次にはAHCCによって大量に産生されたインターロイキン12や、これによって活性化されたキラーT細胞などがガンを攻撃します。この一連のチームプレーによりガン細胞は石灰化を残さず、消滅し、正常な組織と入れ替わってしまうのです。これはアポトーシスによるものであり、ガンの治り方としては理想的なものであるといえます。さきに日本癌学会が開催され、新たな細胞死の仕組みが解明されつつあることもガン患者にとって喜ばしいことです。
 ところで、私たちの体は熱機関です。原理的には車のエンジンと変わりありません。車はガソリンを燃焼させて、そのエネルギーで走りますが、人の体は食べ物を取り入れ栄養素を燃焼させ、そのエネルギーで活動します。健康な体は熱を効率よく出しますが、病気になると燃焼の効率が悪くなります。私たちの健康状態は、効率よく熱を出せるかどうかで決まるといっても過言ではありません。
 水の分子は、タンパク質をはじめガン免疫に大いなる働きをするAHCC、フィコシアニン、カルシウム・スピルラン、U-フコダインなどを取り込んで、必要な細胞のところへ間違いなく運んでいったり、また不要になった燃えカスを細胞の外へ運びだしたりする媒体です。体に大切な新陳代謝を円滑に、かつ効率的に行うためには水、とくに構造化された水が重要な働きをします(40回45回参照)。
 最近、米国ユタ大学客員教授の全博士は構造化された水はガン、そのほかの病気を治すことができる可能性を秘めているという学説を発表しています。構造水としては、五分子構造水、六分子構造水でこの構造は保有エネルギー量により数種類の構造をとることが考えられています。このうち六分子構造水のものが一番安定しており、全博士は人間の体の各組織におけるガン細胞と正常細胞の水の構造化の尺度(T1)を測定し、T1が小さいほど構造化された水としています。
 どの組織においても、T1はガン細胞の方が大きく、ガン細胞の周囲の水は正常細胞の周囲の水より構造化率が小さく、動きやすい状態にあります。したがって、ガン細胞の周囲の水の構造化を高めることによって、ガン細胞の増殖が抑えられるだろうと推論しています。つまり、水溶性や脂溶性物質(薬物、AHCC、フィコシアニン、ミネラル、ビタミン類など)の全体または一部を、構造水は抱え込むことができる可能性があるということになります。
 さきほど、人間の体は燃焼機関だと述べましたが、タンパク質や脂肪だけでは燃焼しにくいので、ミネラルの助けを必要とします。ミネラルが燃焼を助けるにはイオン化(電気的に電離した状態、つまりミネラルがプラスやマイナスの電気を帯びた状態)しなければなりません。現在、ミネラルはカルシウム、ナトリウム、マグネシウムなど46種類以上ありますが、体によい水というのはこれらミネラルをバランスよく含んでいて、なおかつ構造化を保っている水です。
 体によい水と日本古来からの食生活を大切にされて、いままで掲載しました内容をご参考に、より健康な生活を営まれますことをお祈り申しあげます。次回はミネラルについて述べる予定です。

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