水について「水の構造は1千億分の1秒」

 昭和34年頃から食品に添加物が加えられるようになり、いまや私達の食生活は添加物とともにあるといえます。さらに環境破壊が進んだため、水も汚染されてしまい、もはや私達が安心して口にできるものは非常に少なくなっています。なかでも生命の基本である水の汚染は深刻で、水道水をそのまま飲むことに抵抗を感じ、ミネラルウォーターを常飲する人が増えています。
 水は人体の60~70%を構成しており、大変重要なものです。しかし、水に関して何が真実であるか最終的な結論はまだでていません。そこで、水研究の草分け的存在である韓国科学技術院教授の全武植博士の考えを要約しますと、水分子が6個集合した六角水を飲むことで健康になり、あらゆる病気を改善する力を秘めている可能性があると結論しています。
 ここで水に関して基礎的な知識を少し述べておきます。水分子のHOが多く集まったのが我々の飲む水です。しかし、水分子は空間に均一に散らばっているのではなく、ある規則のもとに一定の関係を保ったグループになっていて、そのグループが寄り集まって水になります。これはあたかもHOがブドウの房状に集まって見えるのでクラスターと呼びます。水が持っている性質の不思議さは多数ありますが、その理由の一つは水がたんなるHOの寄り集まりなのではなく、水分子同士のいくつかが結合した状態、つまり(HO)nという特定の構造を有する会合体になっていることです。
 たんなるHOでは水がどうして0度で氷となり、100度で沸騰し蒸発するのか説明がつかなくなります。そこで特定の構造を有する会合体ということで考えれば説明がつくのです。その会合体とは水分子が複数で1組のグループ、あるいはHO単独で存在しています。この中でも6個1組のものを六分子体(六角水)、5個1組を五分子体(五角水)などと呼びます。
 水分子の構造はおおよそ正四面体の構造です。つまり酸素原子は正四面体の中心部に位置し、2つの水素原子は4つの頂点のうちの2つに位置しています。”グーの手”が4つの頂点のうち2つを占めていますが、この非結合性軌道の手も、別の水分子を作る水素原子の反結合性軌道と相互作用したときには手を開き、弱い結合性の軌道を形成します。この結合を水素結合と呼びます。非結合性軌道の頂点と水素原子との間に起こる水素結合が、水分子同士の結合となります。
 この結合を安定に保てるかどうかは、水の安全性を考えるうえで重要です。水分子の水素結合ではO-H-Oの連なりが直線状に並ぶときが最も安定し、この条件を前提として水分子の会合体の模型を組み立ててみますと、水分子6個が環状に連なったときの構造が、最も自然で安定的であると全博士は考えています。しかし、この構造はたえず壊され、作られるという離散集合を繰り返し、一時として同じではなく1千億分の1秒くらいの時間で変化しています。
 もう1つ、水は五分子体、六分子体などさまざまな集合体が混在しています。ある状態では五分子体の存在確立が高く、また別の状態では六分子体が多いということです。例えば、ある瞬間に六角水構造を示している水の比率を測定しますと、10度で全体の22%、0度では26%、さらに温度が下がるにつれて六角水が増え、過冷却状態のマイナス30~40度ではほぼ100%が六角水になるそうです。(過冷却状態とは液体を融点以下の温度に冷やしても、なお液体を保っている状態を指します。純粋水を静かに放置して徐々に温度を下げていきますと、温度がマイナスになっても水は氷になりません。)
 このことから、水は低温になるほど六角水構造で存在する水分子の比率が高いということが分かります。雪解け水はたんに温度の低い水ではなく、六角水の存在比率の高い水といわれています。雪解け水を使うと植物性プランクトンの増殖率や緑色作物の収穫量の増大、鶏の産卵率の向上などがみられますが、これらの現象は、六角水の存在比率の高い水は生理活性が高いことに由来すると全博士は主張しています。東北地方が気温では農業に適していないにもかかわわらず、米など農作物の生産性や質が高いことは、雪解け水の六角構造水に依存している可能性が大いに考えられるといわれています。
 ここで重要なことは、植物性プランクトンの増殖率やその他の成長に水の六分子体が大きく影響するという事実は、飲み水も六分子体を多く含んだ水が体に良いということです。また、浸透圧の関係も六分子体の方がより効果的に皮膚に吸収されることを意味しており、化粧水などに使用する水についても、化粧品メーカーが構造研究を始めています。

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