コリと骨粗鬆症について「コリのけん引力で骨破壊」

 あなたの骨は大丈夫ですか。ストレスや疲労など、何らかの原因で体液循環が悪くなれば、酸素や栄養素の供給もとどこおり、十分にエネルギーを取り出せません。筋繊維は収縮したままで、筋肉にコリ(慢性筋肉疲労)を生ずることになります。
 筋収縮のために筋小胞体から出てきたカルシウムを、もとの筋小胞体にもどすには大量のエネルギーが必要であり、細胞がエネルギー源のブドウ糖を取り込むためにはインスリンが必要であることはすでに述べました。しかし、細胞間質液が酸性だとインスリンが血糖を中に取り込むという働きができなくなります。細胞間質液を正常な弱アルカリ性(約pH7.3~7.4)にするには血液の流れを良くする必要があるのです。血行を良くするには患部の瀉血(しゃけつ)吸い玉、指圧、温熱療法、マッサージなど、どんな方法でも血流が良くなればコリは解消されます。
 コリには2種類あると考えられます。運動や仕事などによって生じたコリは案外治しやすいのですが、精神的な影響によって生じたコリは治りにくいといえます(ストレス参照=34回35回)。逆にいえば、いろいろ治療しても治らないコリには、精神的な問題を考慮すべきです。とくに「根にもつ感情」、例えば恨み、ねたみなどが最も慢性筋肉疲労を起こしやすく、怒り、憂いといった一時的な感情はほどなく昇華されます。しかし根にもつ感情は深く、長く続き体調に影響を及ぼし、それがまた悪い感情を助長するという悪循環が起こるのです。
 それを解消するには、物事にこだわらぬこと、そして積極的に取り組むことです。筋肉も休めるのではなく、疲れない程度に積極的に使っていく、それがコリの予防や改善に役立つと考えられます。コリが脊髄をとりまく様々な筋肉群にあると、その筋肉群をモニターしている自律神経が誤作動を起こしたり、血液やリンパ液の流れを阻害して内蔵の疾患を引き起こすことも考えられます。
 また、骨粗鬆症は閉経期を迎えた女性に多いといわれます。女性ホルモンと関連づけて、食事から十分なカルシウムが採れなくなると、体は骨を溶かしてまでも不足分を補おうとし、その結果骨がスカスカになりもろくなるとされています。女性ホルモンの中には骨を育てる「骨芽細胞」を活発にする働きと、骨が壊れる「破骨細胞」を抑える二つの働きがあり、女性ホルモンのエストロゲンには骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きがあるといわれています。このため、月経不順などで女性ホルモンの分泌がうまくいかなくなると、骨にも影響し閉経後の女性に骨粗鬆症が多く出るというわけです。
 その考え方からすると、女性ホルモンは11~12歳のいわゆる思春期のころから分泌され始めて、それに合わせて骨作りも盛んになるはずです。しかし、現実には月経が始まると、身長の伸びはそれまでよりずっと遅くなります。つまり、骨の成長や改造現象が低下するということです。女性ホルモンが減少した分、男性ホルモン優位になります。こうした考え方からすれば、男性には骨粗鬆症の人が多いことになりますが、男性よりもむしろ女性に多くみられます。従って、女性ホルモンが骨の健康に重要な役割を果たしているとの考え方には少々無理があるようです。
 また、骨粗鬆症が全身の骨に及んでいる症例は少なく、スポット的に起こっている場合がほとんどです。これはホルモンなどによる全身性の骨破壊とは考えにくいのです。ホルモンなどに由来するならば、全身的に骨粗鬆症が起こらなければなりません。しかし、閉経期にはホルモンの異常に伴い、俗にいう更年期障害になりやすく、体調の不調、精神的ストレスが多くなります。その時、先に述べた恨み、ねたみなどの感情が問題になります。
 こうした観点からすると、一般的にみられる局所的な骨粗鬆症は、慢性筋肉疲労に陥った筋肉が骨と結合している所にけん引力として働き、しかも局所的な体液循環の異常(虚血)により起こる骨破壊であり、これに伴う骨粗鬆症と考えた方が筋道が通ります。また高齢者の方に多い理由はコリが年とともに蓄積されること、年々歩く距離が少なくなること、孤独感などによる持続的なストレスでコリをより重篤にさせることに起因していると考えられます。

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