神様について「ストレスは八百万(やおよろず)の神々におまかせ」

 薬を山ほど抱えて病院から出てくる高齢者をよくお見受けします。この方々が本当に薬が必要なのか、甚だ疑問な点が多いと私は考えています。その理由として、ストレスについてはよく論じられていますが、そのほかの内、外的刺激による慢性筋肉疲労や筋肉の位置異常というものが、多くの病気の原因、要因となっていることに気づいている医療者が少なく、その為に悲劇が起こっている場合が多かれ少なかれあるからです。
 医者は患者が来院したからには何かしなければと思い、わけも分からず治療し、その結果、余計に体調をくずしたりします。さらには患者が症状を訴えているにもかかわらず、検査結果が正常ならば「どこも悪くありません。気持ちを大らかに持ってください」と放り出される場合があります。そうなりますと、後は病院の「梯子」です。そして、病院の梯子に疲れ神頼みになる場合が多々見受けられます。
 一見、非科字的のように思われる神頼みにも、それなりの効果はあるのです。といいますのは、どんな祝詞(のりと)や経文、聖書も悪事とか、他人へのねたみ、つらみ、恨み、不幸を喜ぶようなことを推奨するなことは記されておらず、より良い人の生き様を印しています。つまり、神仏を慕う気持ちがストレスを緩和し、β-エンドルフィンなどの脳内麻薬様物質の分泌を増し、免疫力を高めるのに役立ちます。血液循環をよくし、新しい慢性筋肉疲労をいく分か取り除く方向に働くのです。
 人は緊張したり、がんばったりする時は、無意識に下顎を後方に引いて奥歯を食いしばります。この食いしばりによる緊張が、関連する筋肉を疲労させます。これを解消するうえで、立ち話しをしたり「同病相哀れむ」とのように、同じ悩みを持つ人々と話しをしたりしてストレスの解消を試みることが有効で、このような観点からも口は重要な働きをしているといえます。ストレスから起こる慢性筋肉疲労を取り除くものは、科学的であろうと非科学的であろうと関係なく、全て有効といえるのです。言い換えれば、口は緊張の入り口であり出口でもあるのです。ストレスを抜く方法は何であれ良い治療法であり、「病は気から」という格言のように、ある者にとっては神、仏はストレスの吐け口であり、心のより所、心の妙薬になります。
 こう考えると、身体を病んでいる多くの人々が八百万の神々や仏にすがるのも、頷けるような気がするのです。例えば、ルルドの泉には病いを癒す効果があるといわれ、世界各国から人々が集まってきています。確かにゲルマニウムを含んでいるために効能があるのだということもいえますが、しかし、良くなる人と余計に悪くなる人がいることも事実です。この差は何でしょう。良くなる人は敬けんなクリスチャンの方々である場合が多いようです。キリスト教の聖地であることの方が、ゲルマニウムの効果よりクリスチャンには良い薬なのです。つまり、神様に見守られているという気持ちが、ストレスを解消し脳波の安定、β-エンドルフィンなどの脳内麻薬の産生増加、血液循環促進を図るわけです。
 血液中の血球には、赤血球、白血球、血小板の3種類があります。このうち外から侵入してきた細菌を食い殺し体を守る役目をしているのは白血球です。この白血球の中の1つにマクロフファージがあり大食細胞ともよばれ、異物と認めたものは何でも含食するという細胞です。これを発見したのはロシアのメチニコフ博士です。白血球にはマクロファージのほか、好中球、好酸球、好塩基球とりンパ球がありますが、リンパ球は動物がかなり進化した段階(高等動物)であらわれてくる細胞で、あらゆる動物に普遍的にあるのはマクロファージです。
 体に異物が入ってきた時、最初に出てくるのは顆粒球、主に好中球で数時間で出動します。次に1~2日してマクロファージ、その後1週間くらいしてリンパ球があらわれ、最後に好酸球(酸性を好む顆粒球でアルカリ成分を細胞内に持っている)が反応を中和して終わります。このように生体は異物に対して防戦しているのです。また白血球は、異物の排除以外に、様々な働きがあります。例えば、骨は硬くてジッとしていると思われるかもしれませんが、日々ダイナミックに新陳代謝しています。すなわち、破骨細胞によつて壊された跡に、造骨細胞によって常に新しい骨が作られています。この古い骨を壊す働きをしているのが実はマクロファージの1種類で破骨細胞といい、骨が壊されては新しく作られることを骨の改造現象といいます。この働きがうまくいかないと、骨粗鬆症になります。
 以上のことからも、重力を受けながらニコニコペースで歩いて神社、仏閣、教会にお参りすることは、ストレスの解消と骨粗鬆症の予防に一役買うことになるでしょう。

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