めまいについて「捻挫(ねんざ)・突き指がポイント」

 あなたも首を急に動かしたり伸ばしたりしたとき、「めまい」を起こしたことがありませんか。このような、めまいの原因となる椎骨脳底動脈血流不全症という病気が近年増えています。通常、延髄などの脳幹部(脳と脊髄の間の部分)に脳底動脈から血液が送られますが、この病気になると脳底動脈の血流が悪くなります。脳底動脈は頚椎の両横に沿って上行する椎骨動脈が合流してできる血管で非常に細く、また脳底動脈の血流が悪くなると、脳幹部の血流障害が起こりやすくなります。
 この障害を最も受けやすいのが、脳幹部のなかでも前庭神経核(核は神経細胞の集まり)です。この神経細胞の突起は内耳の三半規管につながっていて、平衡感覚をつかさどっています。そこで椎骨脳底動脈で血流障害が起こると、めまいを高い頻度で起こすことになるのです。
 椎骨脳底動脈血流不全症を起こすのは、次のようないくつかの原因があります。

  1. 動脈硬化=程度は様々で、硬化の部位も異なりますが、動脈はただ固くなるだけでなく、内腔も血栓で狭くなってきます。これが脳底動脈で起こると脳梗塞の前段階と考えることができます。とくに前庭神経核の近くは血栓ができやすいといわれます。動脈硬化の発端となるのは、LDL(悪玉)コレステロールの酸化で、抗酸化物質を十分に摂取することが動脈硬化の進行を遅らせます。ビタミンE、フラボノイドには血管拡張作用もあり、大切だといわれています。また高齢者は血圧が高い方が多く、かといって不用意に血圧降下薬を服用すると、かえって椎骨脳底動脈の血流が悪くなって、めまいが出やすくなったり、ひどい場合は脳梗塞になることがありますから、注意が必要です。
  2. 頚椎の異常=首にある七個の背骨が頚椎です。めまいの原因として一番多いのは頚椎の亜脱臼(骨がずれる)です。前述しましたように、椎骨動脈は頚椎の左右を骨を貫いて上行し脳へはいっていきます。したがって、骨がずれると動脈が曲がったり伸ばされたりします。そのため血液の流れが悪くなり、脳幹部へ影響が出るのです。頚椎がずれる原因として最も多いのは変形性頚椎症で、すなわち頚椎の老化、つぎにむち打ち症です。変形性頚椎症をくい止めるには関節を強化するうえでコンドロイチン硫酸、ビタミンA、C、ミネラルではカルシウムとマグネシウム、それに良質のタンパク質を摂って、頚椎に無理に力が加わらないように保つことです。変形性頚椎症もむち打ち症もけん引療法は百害あって一利なしです。(第29回30回参照)
  3. 低血圧=大脳を養う血液は、かなり太い頚動脈から送られますが、脳底動脈は細いため動脈硬化がなくても、また頚椎が正常であっても、血管内を流れる血液が少なかったり圧が低かったりすれば、脳幹部に血液が十分に供給されません。この場合もまったく同じめまいが生じます。第一の原因は血管運動神経の不調です。これは自律神経のひとつで血管の収縮・弛緩のバランスをとっていますが、相対的に交感神経の作用が弱いか、もしくは副交感神経の作用が強いと、血管が拡がって血圧が低下します。このような人は神経ビタミンのB群をすべて含む酵母とビタミンCを常用し、神経ミネラルのカルシウムとマグネシウムを摂って、努めて運動をしたり、皮膚の鍛練、頚椎部のトリガーポイントを消失させるようにもみほぐすことによって、改善を図るようにしてください。この場合は塩分の制限はいりません。
  4. 顎関節症=頭頚部が慢性筋肉疲労に陥り、脳底動脈が圧迫されることにより血行不全となり、めまいが起こります。
  5. メニエール氏病=内耳内のリンパ水腫によって起こると考えられ、耳鳴りをともなうめまいがあります。処置として、重曹水静注などの治療が行われていますが、これは対症療法の域を出ません。このとき、下顎が左右どちらかに振られていることを経験します。下顎が振られている方に内耳の水腫があると考えられます。そこで顎の狂いの原因を探していきますと、下顎が引っ張られている方の足首に捻挫、手の親指や人差し指の突き指がある場合があります。
     それらを治療し、前・中・後・斜角筋、胸鎖乳突筋、頭顔面筋の筋肉疲労を治療し、顎の歪みを改善し、噛み合わせを正常にするとメニエール氏病が治ったということを経験します。これは現代医学の常識にはありませんが、メニエール氏病の方は、一度は捻挫や突き指を疑ってみてください。
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