運動について「ニコニコペースの運動がよい」

 あなたは過激なスポーツをしていませんか? 運動は過激なものを避け、持続的で例えば、手を大きく振って少し速めに40分~1時間くらい歩くのがよいと考えています。歩行は骨盤と足、股関節のバランスをよくします。よって体の歪みが整いやすくなるからです。それに加えて尾骨運動が促進されやすく、その結果、脳脊髄液の循環が改善されます。
 その時に、骨盤の辺りにゴムバンドや腹巻きを下げて使うなどして大腿骨頭に圧力を少し加えると、身体に加わるパスカルの法則がより一層効果的に働き、骨の改造現象を促進し、骨粗鬆症の予防をはじめ筋肉の慢性疲労を解消する一役を担います。
 また、恥骨結合はクランク運動を行っています。つまり右足を前に出すと、右の恥骨も半円を描きながら前に出ます。左足を前に出すと、左の恥骨も半円を描きながら前に出る運動を繰り返します。このエネルギーの量は大変大きく、自然界における老化は、足にきたときにはおおむね生命を終えるのです。
 生体のいかなる部分も使わずにいるとやせ衰えます。これを廃用性萎縮といいます。歩かずにいると、段々歩くのが面倒になり、より歩かなくなり、悪循環の繰り返しになります。それに加え、筋肉の凝りが長く続くと、凝りの強い方に骨は引っ張られます。つまり牽引力として働き、部分的な骨粗鬆症に陥ったり、首が傾いたり腰が曲がったりして姿勢が悪くなり、運動がより一層出来難くなります。
 運動の効果には賛否両論がありますが、運動の量をきちんと決め、無理のない程度の運動を続けると血圧が下がることが、福岡大の荒川教授の研究で確かめられました。運動中に隣の人と話をしても、息苦しさを感じないゆるやかな運動という意味で、ニコニコペースの運動と呼ばれています。普通のジョギングよりゆるやかな早歩き程度がよく、これを週三回以上、毎日、隔日に1回40分、できれば1時間程度行うとよいと思います。
 運動時の脈拍数は毎分110回くらいが適当でしょう。運動中は交感神経の働きが高まり血圧が上がりますが、その後の効果は逆で、日常の血圧は低く保たれるようになるのです。運動の継続によって降圧物質のプロスタグランジンやタウリンなどが増え、逆に昇圧物質のアドレナリン、ノルアドレナリンなどが減り、血圧調整のバランスがよくなるといわれています。このような運動は血圧を下げるだけでなく、肥満の解消、高脂血症や糖尿病、骨・関節疾患にも好影響を与え、健康感を高めるのに役立ちます。
 激しい運動はアドレナリン、ノルアドレナリン量を大幅に増加させ、多くの活性酸素を発生させるといわれています。それでも若い時は活性酸素を消去するSODやカタラーゼ、グルタチオンオペルオキシダーゼなどの酵素が多く作られるからまだ耐えられますが、40歳をすぎるとSODなどの産生能力が低下します。それにともない生活習慣病も増えてくるのです。糖尿病の人ではとくに活性酸素除去酵素の産生能力が弱く、より悪化します。
 以上のようなことから、激しいスポーツは避ける方が好ましいようです。また、精神面においてもストレスになるようなスポーツや過激な運動は避けるべきで、もしストレスを感じたら、一つの試練と考え感謝するとか、これをバネにさらに飛躍しようとか、いわゆるプラス思考で対処すれば、体にβ-エンドルフィンという脳内モルヒネが出てくるのです。
 脳内モルヒネにはβ-エンドルフィンやエンケファリレンなど種々ありますが、もっとも強力なのはβ-エンドルフィンで、モルヒネの5、6倍の鎮痛効果があるといわれています。そればかりでなく、最近の研究の結果、免疫とも深い関わりがあり、血中脂質の代謝を促進したり、血液循環をよくすることが明らかになりました。
 ニコニコペースの運動で心のリフレッシュを図り、β-エンドルフィンをより多く出して、筋肉の歪みを整えバランスのよい身体になるように運動して下さい。

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