産経新聞に遠赤外線指輪に関する記事掲載

 大阪府豊中市で開かれた第14回日本歯科東洋医学学術大会で、遠赤外線指輪を利用した「がく関節症治療」の成果が発表された。三重県鈴鹿市の歯科医師、堀泰典・あさひ歯科院長と北京医科大学の章魁華教授らが共同開発したものだが、狭心症を伴う顎関節症の患者の場合、顎関節症、狭心症ともに症状が軽減したという。(青木勝洋)

■遠赤外線指輪
 循環器系疾患に効果
 歯科医師・堀さんが医学会で発表
 老人性痴ほうの予防/学習能力の向上にも

 堀医師が発表した症例は、狭心症を併発している顎関節症の患者。狭心症の発作で倒れ、大学病院に2カ月入院したが、退院後は狭心症の症状を抑えるためにニトロを1日数回、舌下で使用していた。この患者に遠赤外線指輪を装着したところ、顎関節症とともに狭心症も急速に症状が改善。現在はニトロを必要としなくなっているという。
 従来の遠赤外線治療は、遠赤外線領域の波長を無秩序に発生させて温熱効果を得るものだが、堀医師らが開発した指輪「サンリング」は、遠赤外線の中でも人体に最もよく浸透する4~12μmの波長の電磁波を発生させる赤外線物質を使用しているのが特色。サンリングを指にはめることで、気温や自分の体温をエネルギー源にして電磁波を発生させ、中国医学でいう経絡(ツボ)や経筋に作用し、末しょう局所を活性化させるという。
 また、章教授ら北京医科大学のスタッフは、3,369人の患者に対して、サンリングによる治療を実施。症状(重複含む)は、動悸857人、不眠症855人、精力減退618人、高血圧598人、肩凝り568人、息切れ556人、無呼吸症候群439人、冷え性451人、不整脈388人、顎関節症369人など24症例にわたったが、症状改善率は96.3%だった。
 また、緩和される症状は指輪の位置によって違い、手の場合、親指は心肺機能の向上など、人差し指は肩凝りなど、中指、薬指、小指は主に心機能の向上が認められたという。
 サンリングの効用の重要なポイントとして、堀医師は「体内の水成分のクラスター(群れ)サイズが細分化される」という。クラスターとは、近年、化学の分野で確認された、複数のイオン、原子または分子が結合してできる集合体。サイズが小さいほど、動きが活発になる。
 堀医師は、自身がサンリングを装着した後の尿のクラスターサイズをNMR(核磁気共鳴装置)で計測。通常、尿のクラスターサイズは約300Hzだが、1カ月後の値は60Hz以下に分解されていた(周波数が低いほどクラスターサイズは小さい)。この結果について堀医師は「血液やリンパ液がさらさらの状態になり、体液循環を促進する。そのうえ、クラスターサイズの小さい水は細胞内に取り込みやすくなる。だから細胞が生き生きし、血管壁などが丈夫になることを示す」と説明する。
 また、堀医師自身のサンリング装着後の脳波を岐阜大学獣医学科外崎(肇一教授)教室で測定したところ、最も安定した脳波といわれる2~4Hzのδ波の発生率が、通常は数~10数%なのに対し、装着5分後には30数%に向上。外崎教授は「リラックスした精神状態になり、ストレスの緩和や疲労回復などの効果を得ることが示唆された」としている。
 これまでの研究結果について、堀医師と章教授は「循環器系疾患の予防だけでなく、老人性痴ほうの予防や学習能力の向上にも役立つのでは」と話している。

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