アトピーについて「深層水について(4)」

 人類の誕生を起源までたどれば海洋にいきつくといいます。それ故、人間の血液のミネラルバランスは、生命誕生期の40億年前の太古の海水のそれに等しいといわれています。子宮の羊水の成分と海水の成分は、濃度は違いますが非常に類似しており、南極にあるドンファン湖は海水ミネラルをそのまま蓄えているとされています。また、南極越冬隊長だった鳥居鉄也博士は「南極石」を発見されましたが、この石は太古の海水の結晶だともいわれています。東大医学部荒川清二教授、腫癌研究所の小椋武研究員の分析によりますと、この石は人間の体液おもに血液とほとんど同じ成分を持ち、特に微量元素の割合が羊水と類似していることが判明したそうです。
 両氏が海水で作った粉末で治療を行い、効果を挙げているとの報告が1994年になされています。一例を紹介します。
 報告では、茨城県大洗沖の海面下100mの海水に微量元素、プランクトン、ピコプランクトンなどの有用成分が多く含有されているといわれます。この海水を加熱、冷却、ろ過することを繰り返し、1tの海水から1kg程度の結晶を作ります。その結晶から塩化ナトリウムをほとんど除去し、凍結乾燥して粉末にします。この成分は多量のカルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、セレンなど60種類にも上るミネラルです。
 マウスを使った動物実験では、実験用ハツカネズミにストレプトゾトシンという抗生物質を注射すると、すい臓のランゲルハンス島という組織が壊れて、インスリンの分泌が激減します。インスリンは、血液中のブドウ糖を処理するホルモンですから、インスリンの分泌が減少しますと血糖値が上昇します。つまり、糖尿病になります。これをインスリン依存性糖尿病といいます。
 インスリン依存性糖尿病の状態(空腹時の血糖値が150~240mg)のマウスを2群に分けて、1つの群には海水の粉末の0.3%の溶液を投与し、もう1つの群には普通の水道水を投与し、20日後の血糖値を測定すると水道水のマウスは血糖値が上昇し、海水の粉末の群の血糖値は100~120の正常値の範囲に下がりました。
 マウスを解剖して、すい臓のランゲルハンス島を検査すると、海水の粉末を投与した群のマウスはやや大きくなり、その周りにリンパ球が集まり、組織を修復しているかのごとき顕微鏡像を呈していました。つまり、海水の粉末で血糖値を下げる作用のあることが動物実験で分かりました。動物実験の治癒率が高くても、それがそのまま人間に有効とは限りませんが、少なくとも効果を発揮している方が望ましいにきまっています。
 肝臓病の代表的な例としまして、41歳の男性で慢性のC型肝炎があります。インターフェロンの注射を週に3回続け副作用が現れたため中止。海水の粉末の服用を開始後、GOT308、GPT137だった値が1週間後は297、110、30日後には68、48と回復し、他の多くの臨床例でも有効性が認められたことを報告しています。杏林大学の藤井聡教授は「メカニズムは解明されていないが、血糖値の上昇が制御され、肝細胞を活性化するのに海水の粉末に含まれる微量元素の働きが関与しているように思われる」と述べています。
 沖縄県の浦添総合病院では深層水を飲用し、人工透析患者の痒みの解消や尿の排泄作用を促す試みを行っています。その結果、多くの患者の方は深層水の飲用前に比較して、痒みの軽減と数倍の尿の排泄が認められています。
 腎臓の動きは、簡単にいうとタンパク質や脂質など栄養素を腸で吸収し燃焼させ、燃え残ったカスを水に溶解して尿とします。腎臓のネフロンで構成されている糸球体は、免疫反応でダウンしますと尿が排出されません。カルシウム異常と不足がその原因といわれています。治療法には副甲状腺の治療や活性型ビタミンD(代表的には肝油)の投与があります。
 人工透析は、ドイツのガンター博士が尿毒症の患者に針を刺し、水を抜き食塩水を注入して治療したことが始まりとされています。1回の透析で除去できるナトリウムは、食塩換算で10g程度で、3日に1回の透析の場合、1日の食塩は3~4gしか摂取できないこととなります。大便は7日以上、便秘しても生命に大きな影響を与えませんが、小便は7日以上、尿素やクレアチンが排出されないと尿毒症となり生命が危険です。通常、成人男性の小便の量は1日1~1.5L排出されます。このうちの20gが尿素、15gが食塩、2gが尿酸、31gがカリウム、1gがクレアチンです。
 腎不全になりますと、顔色を見れば分かるといわれています。それは尿の色素にはウロクロームという、通常は尿から排泄される物質が含まれていますが、腎不全に陥りますと、このウロクロームが体内に沈着しまして顔色が黒ずんで見えるのです。ウロクロームは分子量がやや大きいので、尿素のように透析で簡単に排泄できないので、数回にわたって透析を繰り返さねばなりません。深層水はこのような色素沈着にも大きな効果を発揮するものとして期待されています。

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