アトピーについて「深層水について(2)」

 深層水でとくに興味深いことは、微量ミネラル分が豊富なことです。海水に溶けている元素は塩素、ナトリウムを除くと単体でイオンの形で存在することはまれで、ほとんどが分子の化学形態となっています。一方、海中溶存元素は陸上の岩石に由来し、数十億年の長い年月をかけて、海水中の水分の蒸発→雲→雨・降水→表面流出→地下浸透→湖・河川→海という自然の水循環システムを繰り返し行い、陸上の岩石や砂などのミネラル成分が溶けて海に至っています。
 この循環システムの恩恵を受けているのが、海とほぼ同じ成分のミネラルが生命体内に存在することなのではないでしょうか。とくに日本唯一の薬石である麦飯石の多い地層の海水にはミネラル成分が多いことも事実です。
 海水1L中に塩素やナトリウムは10g以上含まれていますが、微量元素あるいは超微量元素と呼ばれる元素群はng、それ以下の濃度で存在しています。今日でも濃度が明確でない白金族元素(ニオブ、タンタル、ハフニウム、スズなど)もあります。カルシウム、リン、イオウ、カリウム、ナトリウム、塩素、マグネシウム以外は濃度が低いのです。海水中の微量元素の濃度が低いのは、おもに元素の海水中の平均滞留時間が短いためとされています。多くの微量元素は海中で安定的なイオンになりにくく、浮遊物質などに吸着されたりするのがほとんどで、海中の深度による溶在の濃度形態により次のように分類されます。

 このように海水中の元素の分布は、元素自体の溶液化学的性質や生物過程と相互に関連していることが分析機器の精度向上とともに明らかになりつつあり、海洋深層水を食品などへの添加物として開発する場合、取水深度による各元素の濃度なども考慮した商品開発が検討されています。
 ミネラルが低濃度(数ppb)でも水の構造に影響を及ぼすことは、ミネラルの構造が水の機能物性に大きく関係することを示しています。今日の深層水の湧昇の研究課題はおもに栄養塩に注がれています。表は生体内におけるおもな必須ミネラルの働きです。このようなイオンミネラルを多く含むものを、イオンミネラル・コーエンサイム・カタライザー(選択的微量元素触媒)と呼びます。
 ここで注目したいことは、深層水と月光、太陽光との関係について、月と地球と太陽が120度の角度をなすとき、海面はピタリと静まりかえるといいます。太陽光は深度約300mに達し、月光は何とその10倍の約3,000mにまで達するといわれます。つまり、深海では昼が暗く、夜が明るいという逆転現象が起こっているのです。深層水のミネラルが表層に湧昇し、太陽光、月光、空気などと相互作用する場合の結果について言及されたものは私が知る限り見当たりません。
 興味あることは、人体の臓器に月のつく漢字がたくさんあることです。心臓など五臓六腑やアトピー性皮膚炎の舞台となる肌など実に多くの器官に月がつくのです。なぜなのでしょうか。先人は感覚で月の影響が少なからず五臓六腑をはじめ身体に影響を与えていることを感じていたのかもしれません。例えば、月は潮の満ち引きなど女性の月経の28日の月齢にいたるまで、地球に少なからず影響しています。現代科学では解明できないとは思いますが、この月のエネルギーが深層水になにも影響を及ぼさないと考えるのは、早計のように思います。
 現代社会は夜も人工の光があふれ、月のエネルギーをかき消しています。満月に排卵、新月に生理という自然のリズムが本来あるべき姿だと思います。体調のすぐれない人や生理不順の方は1日1時間は月光浴をしてみて下さい。少なからず影響があるはずです。アトピーの方も肌に月のエネルギーを与えることは、それなりに意味があるのではと私は考えています。

mn95