水について「水は生命そのものだ」

 夏は大量に汗をかきます。そのために体内の水分が不足がちになり、次のような障害が起きることがあります。
 【脳梗塞】近年、脳梗塞は冬より夏場が増えています。その理由として、血液の45%は血球成分でドロッとしており、夏の暑いときは睡眠中にコップ1~2杯の汗をかきます。そのうえ、呼気により水分が蒸発します。水分が不足して粘度が高まると血管が詰まりやすくなり、動脈硬化のある人では脳梗塞や心筋梗塞の危険が高くなるのです。また、血液の凝集能(固まりやすさ)は朝の6時頃から高まりはじめ、9~10時頃にピークになります。寝る前や朝起きぬけに水を補給することが効果的な予防法です。寝る前に水を飲むと、夜中にトイレに起きるのが煩わしいという人がいますが、あまり水分を控えると水分不足で尿が濃縮され、これが膀胱を刺激してかえって尿意をもよおし、逆効果なのです。
 では、なぜ高齢者に脳梗塞や心筋梗塞が多いのかといいますと、二十代ではおよそ70%は水で、新生児では実に80%を占めますが、加齢とともに水の割合は減少し、45歳では60%、70歳では43%と体液が減少し、高齢者には少しの水の消失でも血液が粘る結果になるのです。
 水の生体内における分布状況は、約3分の2が細胞の中にあり、残りの3分の1のうち、4分の1は血漿として血管の中を流れており、あとの4分の3は血管の外にあり、間質液として細胞の間を満たしています。このように体の中に水が大量にあるのは、それだけ重要な働きをしているからであり、軽視することはできません。おもな水の働きは、栄養の運搬、老廃物の排泄、内部環境の恒常性の維持、体温の調整など、まさに生命活動そのものです。また、生体内の水はおたがいに交流しあって情報を交換しているともいわれています。このことについては、別の機会に述べます。
 【痛風】秋口になると痛風の発作が増えるといいます。これは血液中の尿酸値が高い高尿酸血症の人が、汗をかいて尿量が少なくなっても、涼しさのため水の補給をせずにいる結果、尿への尿酸の排泄が少なくなり、尿酸値が高くなるためです。汗をかき水を補わずにいる状態が夏場続くと、秋口に発作が起きる危険が高くなります。
 【尿路結石】尿量が少なくなると、結石の成分であるカルシウムやシュウ酸などの尿中の濃度が高くなり、腎臓、尿管、膀胱などに結石ができやすくなります。尿量が1日700ccの人は、1日1100ccの人にくらべ結石が約7倍もできやすいといわれています。尿路結石は再発率が高いので、結石ができたことのある人、高尿酸血症の人などは夏でも尿量が1日2000ccくらい出るように水分を補給してください。
 【膀胱炎】これも尿量が減って尿路の細菌感染が起きやすくなり、それに加えて暑さのために蒸れることも原因していると考えられます。そのために夏場に増えるのです。予防と治療のために水分補給が欠かせないのです。
 また、ダイエット中に水分をとると太るといって水を控える人が多いようですが、かえって有害です。体内の脂肪やタンパク質が消費されて生じるケトン体や尿酸の血中濃度が高まるからです。とくにタンパク質の消費による糖新生は窒素を放出するので腎臓に負担がかかります。夏にダイエットする人はとくに十分な水が必要なのです。汗が粒になるくらいの中程度の発汗では、汗1リットルあたり2.4gの電解質(ミネラル類)が、流れるような汗ではそれ以上の電解質が失われていきます。とくにビタミンではCやB1が多く消費されますので、注意してください。夏に水分をたっぷり含んだスイカ、トマトなど果菜類に天然の塩を少しふりかけて食べるのは、自然な水分やミネラルの補給法です。さらによいのは、六分子体(六角水)の多く含まれた水を飲用することです。しかし現段階では雪解け水が六分子体を多く含んでいるといわれているものの、それでも20数%にしか過ぎません。
 人工的にpH7.4の弱アルカリ性近くで、六分子体を多く含む水を世界中の水の学者が研究しています。こうした構造水は吸収率がよく脳梗塞、心筋梗塞、痛風、尿路結石、膀胱炎、皮膚病、肥満、ひいてはガンなどの悪性新生物などのような疾病に対して、自己治癒力を著しく高めるといわれております。また、水分補給では、時間をおいてチビチビと水を飲むのがよく、一度にガブッと飲むと細胞内に取り込まれる率が相対的に低くなり、すぐに尿として出る率が高くなります。水分を効率よく体内にとどめておくには、小刻みに飲むのがよいのです。
 国立公衆衛生院が過去19年間にわたって全国の死亡者と気温の関係を分析した結果、気温が33度を越すと高齢者の死亡が増加するといいます。とくに65歳以上の老人で、心臓や脳血管などの循環器障害による死亡が増えており、これは高温による免疫力の低下、発汗にともなう脱水、血液循環量の減少が原因といわれております。こういう高齢者の方にも六分子体の多く含んだ水は有効です。つまり、通常の水は10-12乗秒(1ピコ)で離散集合を行っていますが、六分子体の水は最も安定しており、1ピコより離散集合のスピードが遅く、胃や腸の壁に密着しやすく吸収率が増し、生体内に吸収されるとその移動スピードは6倍に増すといわれます。

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