温泉による美肌と癒し
パネリスト:温泉学会理事 堀泰典
まず始めに、医学的な視点から見た美肌(温泉入浴による健康美)について解説したいと思います。
1 | 「体内静電気」の除去 | ドロドロ血液、サラサラ血液、温泉 |
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2 | 「腸は綺麗にし、暖める」 | バイエル板、千島学説、脳内ホルモン、温泉、風呂、湯め気分、HSP |
3 | 「良い水は副作用のない薬」 | 六員環構造水、ミネラル、アミノ酸、ビタミン、温泉水 |
4 | 「ストレス、体内静電気は筋肉を弛緩させる」 | アトピー、狭心症、O-リングテスト、温泉 |
5 | 「鼻で呼吸する特に睡眠時」 | ワイダイエルリング、咽頭扁桃リンパ輪、B細胞性免疫の受容体、口呼吸は万病の元、温泉水 |
6 | 「口腔清掃と頻繁なウガイ」 | |
7 | 「慢性筋肉疲労」 | 慢性疲労症候群、顎関節症、疼痛、於血、温泉 |
8 | 「内臓体壁反射」 | 肌荒れと病気、温泉 |
9 | 「放射線ホルミシス」 | 玉川温泉、三朝温泉、がん免疫 |
10 | 「胸腺は復活する」 | T細胞性免疫、がん免疫、温泉 |
11 | 「臍には吸収機能がある」 | ミネラル、おへそ美人、湯め気分、温泉 |
12 | 「良い音は副作用のない薬」 | モーツアルト、川の音、波の音1/fの揺らぎ |
13 | 「皮膚を乾燥させない」 | 自己の脂肪酸を落としすぎない、良い石鹸、防腐剤を使用しない化粧品 |
14 | 「磁石は薬にも毒にもなる」 | 北枕、虚と実、体液の分解 |
15 | 「睡眠は真っ暗で、足を1cm上げる」 | メラトニン、抗酸化物質、重力軽減、入院患者 |
16 | 「活性酸素は多くても少なすぎても毒にもなる」 | がんの発生、アポトーシス、ミネラル |
17 | 「呼吸と心臓が連動する」 | ネズミの時間、ゾウの時間 |
18 | 「ミトコンドリアの活性」 | アポトーシス、細胞共生説、ミネラル、がんのアポトーシス |
19 | 「化粧品防腐剤、薬、食品添加物は毒」 | 薬事法、防腐剤、O-リングテスト、ホーリーズテスト |
20 | 「目・手首・鼻=脳」 | 認知症 |
上記の20項目を良くする事が出来ると考えられますが、総てペーパーにするのは割愛しまして、美肌サミットに因み、美肌の大敵、シミやしわ、肌荒れの原因についての重要事項を下記に示します。
(1)慢性筋肉疲労による障害(慢性筋肉疲労の中心であるトリガーポイント)
(2)体内静電気による障害
(3)細菌感染による炎症状態の悪化に起因する血液循環障害
(4)臓器からの皮膚反射による血液循環障害
(5)手や足や腰などの筋肉の歪みによる筋経絡反射に由来する血液循環障害
(6)外的物理(紫外線、温熱刺激など)、科学的刺激(防腐剤など)による障害
(7)脂肪酸減少による障害
(8)ストレスによる障害
(9)磁力線による体液障害
(10)低気圧による体液障害
以上、10項目の条件は皮膚障害をおこします。
これらの主な働きが血液循環を阻害し、その場の栄養阻害に陥らせ、これが新陳代謝を遅らせる原因の一つですが、これら総て温泉や温泉関連で解決できると考えられています。因みに、温泉で最も大切なことが体内静電気の通電効果です。
次にトリガーポイントや姿勢を正し血液循環を正常に保つように気をつける事が重要で、温泉は血液循環の促進には大変有効なのです。
また、美肌を作るために、さらには老化を防ぐために、細胞間の物質や情報伝達を円滑に行い、新陳代謝を活性化させるという生命を維持するためのホメオスターシス(恒常性)や、病気を自ら治す自然治癒力の維持が不可欠であることはいうまでもありません。
この効果に温泉は抜群の威力を発揮します。因みに、水道水や市販のミネラルウォーターは体内に効率よく吸収されにくいものも多いのですが、温泉に入る前には忘れずにコップ1杯の水を飲んで下さい。その理由として筋肉の少ない人は1%の水分が取られるだけで命取りになりかねませんので気をつけてください。「コップ一杯でOK!!」です。
「仙人は霞を食べて、不老長寿だ」仙人が飲んだり吸気で体内に取り込んだりしていた霞(六員環構造水)こそ、妙薬の一つで栄養の吸収と老廃物の排泄を活性化させ、細胞の中に浸透しやすく老廃物を押し出す力が強いのではと考えられます。米国で公害が看過された後一番寿命の伸び率が男女共に大きいのは霞や霧で有名な霧のマンハッタンなのです。
細胞に良い霞を身体に補給することは、新陳代謝活性の良い、若くて健康な身体、そして美肌をつくることができると思います。その点から鑑みても温泉や温泉の回りの自然環境が健やかな美肌に及ぼす影響は多大で有ると考えられます。
●温泉の物理効果
温熱効果 温泉により体があたたまることにより、血行が促進されます。血行が促進されると、新陳代謝が高まりますし、体の中の老廃物が体外に排泄されやすくなります。血液の流れが悪くなると、栄養や酸素の供給が悪くなり、細胞が栄養不足になります。栄養不足が長く続くと、小じわや肌荒れが起こす可能性を助長します。
HSP また温泉で最も大切な働きの1つである若返り効果の有るヒートショック蛋白の産生も期待できます。これは、温度差が大切なので冷水をかけることも重要なポイントです。
浮力効果 温泉に限らずお風呂に入りますと、浮力により体が軽くなったような感じがします。重力から解放されることによるリラックス効果があると言ってもよいでしょう。筋肉が緩み、心も体もリラックスし、脳波がα波になりやすいのです。
水圧効果 低気圧による体液障害を体表面にかかる静水圧により全身にわずかな圧力がかかり、その水圧で血管が少し細くなり、パスカルの原理により血流が促進され、血液のスピードが増し、その結果、内臓に血液が多くなり内臓が刺激され、内臓の活性につながります。当然、心臓にも多くの血液が行く事になります。俗に「ポンプアップ効果」といわれ、下肢の静脈やリンパ液の循環も活発になっていくのです。特に下半身浴は長く入れるので効果的です。つまり、天然の加圧効果で天気がよく気圧が高い時と同じ状態です。脚には全血液量の約三分の一が集まり、この血液が心臓に送り返されるため「脚は第二の心臓」と言われますが、脚の血液は陸上では、重力が邪魔をして心臓まで上がりにくくなります。そこで脹脛をはじめ脚のストレッチは有効なので、時間があればストレッチを行って下さい。
転地効果(心理効果) 日常生活を離れ、環境に恵まれた温泉地に行くことにより五感に刺激を受けると、脳内のホルモンを調節する内分泌系や呼吸、消化といった生命維持活動をつかさどる自律神経の中枢のスイッチが入ります。そこで、ストレスを解消し、精神疲労や病気に効果を発揮するのです。「澄んだおいしい空気」「朝もや、霧、霞」「森林浴によるリラックス」「避暑によるさわやかさ」など、自然環境に恵まれた温泉地ならではの効果が期待できます。
薬理効果 温泉の成分を皮膚から吸収することにより得られる効果です。もちろん、効能成分(泉質)により、効果は異なります。肌は分子量600以下でないと吸収できないが、温泉にはそれ以下の吸収できるミネラルを含む泉質の温泉が多いので有効であると考えられます。ミネラルは皮膚から吸収しようが、食事で吸収しようが作用は同じで、ミネラルは生命の源といっても過言ではないのです。