堀先生のおべんきょう塾「呼吸について(2)」

■お手当てについて
 治療の原点とは、お母さんの優しいお手当てである。つまり、手の温もり(赤外線)と、手を置いた場所の面圧(パスカルの原理)、そして優しい心である。

■口呼吸の対策と予防
(1)禁煙をする。
 タバコは肺ガンになりやすいと言われるが、その理由はニコチンやタールが肺胞を溜まるためであるとされている。しかし、その前に咽頭扁桃イントウヘントウリンパリンを温熱刺激やニコチン、タールが刺激し、免疫系を低下されるために、体内で毎日作られているガン細胞を見逃してしまい、その1つのガン細胞が約9年かけてサイコロ大(1,073,741,824個)の大きさになり、その後数カ月で命を奪う大きさまで成長するのである。
 その他、細菌やウイルスに対しての抵抗力も落ちるので、禁煙は大切である。
(2)うがいをよくする。
 上を向いて「あー、いー、うー、えー、おー」と言いながら行う。このうがい方法が適切に行われないと、ウブラ(ノドチンコ)の裏までうがい液が届かないため意味が無い。ブクブクとゆすぐのではないので注意して頂きたい。
 この時に、蓮、イソジン、塩、自己の尿を入れておくと効率が良い。
(3)おしゃぶりを吸う。
 口輪筋コウリンキンを鍛え、口が閉じる練習をする。この場合に用いるのが「おしゃぶり」である。
 指吸いとは異なるので注意すること。指吸いは中心に骨があるため、噛み合わせの異常に繋がるので禁忌である。
(4)首の周りをよく揉む。
 胸鎖乳突筋キョウサニュウトツキン、前、中、後、斜角筋シャカッキンなどの呼吸筋群や交筋コウキンを指圧、マッサージ、鍼、灸などの刺激により弛緩シカン(ゆるめること)させる。
 つまり、慢性筋肉疲労を取る事である。
 このことにより、下顎カガク頚椎ケイツイ側(後方)に引かれるのが防止され、交筋が弛緩し、前下方に下顎が下りてきて、口が自然に閉じやすくなる。
 胸鎖乳突筋、前、中、後、斜角筋は、胸骨や鎖骨に付き、もう片方は耳朶ジダ(みみたぶ)の後ろにある乳様突起ニュウヨウトッキに付くが、この両方の骨の周りを刺激する。これは悲鳴を上げるほど痛いので根性が必要である。しかし刺激を与え続けるといつしか痛みは軽減してくる。
 乳様突起は、総頚動脈が内頚動脈と外頚動脈に分かれる分岐点に近く、大切な場所である。
 高血圧、低血圧の方は、脳溢血、脳梗塞にならない為にも、予防の意味でしっかり「揉む」ことをおすすめする。
(5)鼻の周りをよく揉む。
 鼻づまりを軽減することである。
 川が谷を流れるが如く、山と山の間を水は流れやすい。人体も同じであり、頬筋キョウキンと口輪筋の間に出来るホウレイ線に沿ってリンパ液が流れて、最終的に心臓に戻るが、これらの筋が慢性筋肉疲労に陥るとホウレイ線上にダムが出来るのと同じで、頬筋、口輪筋が浮腫ムクむことになり、ホウレイ線が深くなり、鼻粘膜が水浸しの状態になる。
 つまり、浮腫んでしまい鼻腔が狭くなり鼻呼吸が出来にくくなる。俗に言う鼻づまりの状態である。

■揉み方について
 最初は筋肉の付いている所の骨の周りから揉むことから始める。
 次に筋肉の中心部に向かって揉んでいく。初めから中心部を揉まないほうが良い。
 揉む時に、ソーッと垂直方向に圧をかけていき、軽く振るが、その時、元のポジションで止めることが大切である。揉み終わった場所が元の場所からズレていると皮下組織の下にある筋肉もズレる事があるので、注意しなければならない。

■ストレッチ
 もう一つの方法として、筋肉のストレッチも有効である。
 これは疲労した筋肉は縮むのでストレッチで伸ばす方向に力をかけることにより筋肉を弛緩させる。
(ア)手で筋肉を伸ばす。揉むのとは反対に筋肉を中心から付着している骨(起始キシ停止テイシと言う)の方に向かって滑らせるように筋肉を伸ばしていく方法である。
(イ)自分の力で筋肉のストレッチをする。下顎を前方や左右にゆっくり出る所まで突き出す。及び、振る。
(ウ)竹踏みをする。かかとを付けて土踏まずの所を刺激する。筋肉はレオロジー特性(筋肉に垂直的な圧をかけると筋肉が弛緩する特性を言う)を持っているので、平素刺激のない土踏まずは全身の筋肉が弛緩しやすい場所である。
 斜めの坂を利用したりするのも良いが、出来るだけ竹を用いることにより、レオロジー特性を最大限に活かせるし、竹が作るエネルギー場で体調が変わってくるので効率が良い。

 以上を確実に行えば鼻呼吸が確保され、免疫系が賦活フカツし、病なしの身体になれると言っても過言ではないぐらいに大切なことである。
 暇を見つけては、棒で鼻の周りや首の周りを揉む、もしくは、圧を加える。かかと付け竹踏みで真っ直ぐに立つなど、1日に5分でも実行しましょう。