堀先生のおべんきょう塾「ドクター・ホーリー スピリットについて」

放射線の認識について

 我々は放射線が微量でも『危険』とみなし、放射線から身を守る生活を送ろうとして来た。これは、戦後から現在にいたるまで放射線や放射能について間違った認識をもっていたからに他ならない。
 我々日本人が、世界で唯一の被爆国民であることから考えれば当然と言えるが、その認識を変える時期が確実に来ている。しかし、未だに日本放射線学会の一部では、原爆被爆国と言う特異性からか、大量放射線被爆を基にした「比例直線仮説」(図1)を支持している研究者が少なくなく、放射線は少しでも危険だという認識がある。
 つまり、日本の放射線の被爆量基準は原爆投下以来の古いものを未だに使用している。最新の研究を無視し、戦後から根拠に乏しい概念、先入観で「比例直線仮説」を導入し微量でも放射線を浴びない方が良いという基準を元に設定された。それもその筈である。学問の世界は一般の方が想像以上に閉鎖的、封建的である。

(図1)比例直線(図2)放物直線
古い仮説
古い仮説
現在の仮説
現在の仮説

 また放射線は多かれ少なかれDNAを傷付ける。しかし、このストレスは必要不可欠で、細胞は自らの生命を守るために自己修復を行っている。修復のできない細胞は自殺するプログラムが備わっている。そのプログラムにより危険な要因を持った細胞が活動する前に取り除くアポトーシス機能(自殺的細胞死)を有し重大な疾病を未然に防いでいる。これも生命が自然界から受ける多くの障害に対抗して自己を守り、健康を維持するために自らが進化の過程で備えた重要な機能である。
 余談であるが、「薬」とは簡単に言えば、毒を少し処方したものが「薬」である。当然ながら毒には毒としての作用と良い副作用がある。その毒の良い副作用を活用したのが薬であり、元の毒の作用を薬では副作用と見なし、薬で言う副作用、つまり毒の作用を取り締まるために薬事法が制定されたと考えれば概ね間違いではない。
 例えば、レンコンのすり汁は咳を止める作用が強いことは周知の事実であるが、副作用(毒)がないので薬にはならず八百屋で購入し薬局や医師が処方しない。低レベル放射線も薬と同様に考えられる。つまり、DNAを極微量傷付けその修復に際して免疫系や酵素系が賦活される。この考え方はストレスを与えると言う観点ではワクチン等と類似している。薬も低レベル放射線も体を刺激し自己に備わった免疫機能を賦活させる可能性が高いのである。

放射線の発生源

 宇宙線、天然放射性物質、核分裂核反応、核反応生成物、加速機、X線発生装置などである。このうち、天然の放射性物質はウランやカリウム40などと、ウランなどが安定になっていく過程で一時的にできるラジウム、ラドンなどである。これらを精製して濃縮すると強力な放射線源になる。ラジウムは放射線治療に使用された。カリウム40はごくわずかな比率で安定のカリウム39とともに存在する。人間はカリウム40の自然放射線を常にあびている。核分裂は核反応の一つで、膨大なエネルギーを発生し、無数の放射性物質が生まれる。原爆や原子炉で起こっている現象である。放出される無数の放射性物質の大部分は半減期がごく短く、すぐに安定元素になるが、ストロンチウム90、セシウム137などは100年たっても危険である。また、気体のヨー素131の半減期は約8日である。原発では風向きを考慮して煙突から放出している事実は余り知られていない。

テレビ等のブラウン管

 電磁波が発生しており、健康への影響が指摘される。電磁波の中にX線も含まれる。線量計を置いてみると、X線については、表面で1時間あたり0.1ラド被爆する線量で、これは計算上2000時間も被爆すると白内障になる線量である。1日2時間3年間で白内障になるはずであるが現実には起こらない。もっとも、表面から離れれば線量は極端に減るが無視はできない。パソコンは長時間、至近距離で行う。パソコンの普及で白内障が爆発的に増える可能性がないとは言えない。しかし、現実2000時間を越えて使用しても白内障にならない場合が多い。そこで放射線ホルミシス効果を考えるべきである。

放射線ホルミシス効果

 「毒をもって毒を征する」有害な物質が適量の場合は生体にプラスの刺激を与えるものをホルモンといい、(よく知られているのがステロイドホルモンで本来ステロイドホルモンは副腎皮質で作られるストレスに対抗するホルモンであるが、抗炎症作用も強くアトピー性皮膚炎等の塗り薬や飲み薬として活用されているが、試用期間や量が多いと副作用も大きく社会問題になっている。)最近、この現象に対して微量の放射線はホルモンのように作用するという意味で「放射線のホルミシス効果(Radiation hormesis)」という考えが提唱され、研究されている。
 参考:「ホルミシス」という言葉は、「ホルモン」と同一語源のギリシャ語「hormo」に由来する。
 「放射線のホルミシス効果」は米国ミズリー大学生化学教授トーマス・D・ラッキー博士が、1982年12月号の米国保健物理学会誌「ヘルス・フィジック」で発表した論文の中で使ったのが最初である。これは「少しの放射線は免疫機能の向上などをもたらし、身体のあらゆる活動を活性化し、病気を治したり、病気にかからない強い身体にしたり、老化を抑えて若々しい身体を保つなど、あらゆる良いことをする」という、少しの放射線でも有害であるとする社会通念や放射線から人を防護する規制概念とは全く異なる画期的ものであった。
 これをきっかけに、世界中でその真偽を確かめる研究や調査が始まり、日本では10数年前から大学や研究所などで動物実験を中心とした研究が始まっている。(論文例1~6参照
 現在では、人間が年間被爆する自然放射線量の10~100倍の低レベル放射線量域で、

  1. 活性酸素を除去するSOD酵素(スーパーオキサイドディスムターゼ)が大幅に増加。
  2. 脂質酸化物を除去するGPx抗酸化酵素(グルタチオンペルオキシダーゼ)が大幅に増加。
  3. 免疫の働きをするT細胞の増加(癌免疫等)。
  4. 癌抑制遺伝子P53が修復不可能な場合にアポトーシスをおこさせる。

 等、予防・代替医療分野でも注目されて来ている。
 日本でも昭和の初め先駆的研究者によりこのような研究や臨床データが集められていたが、残念なことに一部の研究にとどまってしまった。これは、古き体制の放射線学会等の圧力によるところも大きいと言われ、低レベル放射線のホルミシスという言葉は意図的に規制や制限によって曲げて伝えられている感が強い。
 しかし、ラッキー博士の発表によって「低レベル放射線は身体によい」ということが知られてくると、やっと我が国でも数十年ぶりに「低レベル放射線と健康の関係」が認識されることになった。
 更に、NASAが宇宙に人を滞在させるに当たって、地球よりはるかに多い宇宙での放射線の影響を調べることからも研究が始まり、放射線の危険性と健康におけるすばらしい有用性が多くの実験で明らかになり始めてきている。
 放射線研究の一つに、生殖に関する研究がある。一時期盛んに行われた代表的な放射線研究はショウジョウバエにX線を照射し、生殖能力の無いオスを作る実験である。その結論である浴びる放射線が多いほど危険であるという「放射線量×時間=危険度」という「比例直線的」解釈が一般論となり、生物の教科書にも掲載されていたものである。これが、放射線は悪いもの怖いものというレッテルを貼ったものの代表であろう。
 しかし、この実験には落とし穴が有る。それは、放射線は悪いもの怖いものと言う概念から出発していることである。実験は研究者の脳を白紙の状態で行われなければ、実験者の意思に従い往々にして実験方法に落ち度が生じる。そこで、興味有るゾウリムシの実験があるので紹介しよう。
 このゾウリムシの実験では、比例的解釈とは異なる結果が出ている。鉛で囲んだ容器の中にゾウリムシを入れ、一方は放射線を10cmの鉛で遮断し、もう一方は5cmの鉛で遮断した。放射線以外内部環境は同じである。当然10cmの鉛で囲んだ郡には自然放射線すら当たらない。そのゾウリムシは数を減らしていった。一方5cmの鉛で囲んだ郡には鉛を通り抜けた低レベル放射線が当たっている。その結果5cmで遮断したゾウリムシは数を減らしていなかった。我々人間はゾウリムシのような単細胞の集合体と考えてよい。つまり、人間は放射線、紫外線、赤外線等自然界と共に進化した。この2つのショウジョウバエとゾウリムシの実験結果はある一定の放射線は健康生活に必要だが、過多なる放射線は害を及ぼすということを表している。つまり、現在では、低レベル放射線を浴びた方が良いという説が定説となりつつあるのは紛れもない事実である。
 例えば、少量の塩分は生命活動には不可欠であるが、一度に大量の塩分を取れば健康を害する。どんな物でも摂り過ぎは毒という事である。当然ながら、放射線も一度に浴びる量が多すぎると、癌の発生率は高くなる。『低レベル放射線を長時間あびる』というところが重要なポイントである。

放射線量の変化

 太古の昔より、生物は様々な放射線を浴びながら生きてきた。当然現在よりもはるかに多い放射線量である。先にも述べたがラッキー博士は、現代の人類に必要な放射線量は、現代人が自然に浴びる放射線量の約10~100倍必要だとも述べている。放射性物質は半減期という放射線量が半分になる期間というものがある。ラジウムの半減期は1622年である。現在でも、放射線を出しつづけるラジウム鉱石は1622年前には今の2倍、3244年前には今の4倍、4866年前には今の8倍、16220年前には今の1024倍の放射線を放出していたことになる。人類誕生の時点まで遡ると途方もない放射線を出していたことになる。そう言った観点からもラッキー博士の「現代は放射線欠乏の時代」であるのは正しいように思える。いや、それ以上に欠乏している可能性さえ示唆される。
 鳥取県の三朝温泉は日本を代表するラジウム温泉とされ、自然放射線量が全国平均よりもかなり高く、放射線により「癌患者が多く発生」しているはずなのであるが、実際は岡山大学医学部の御舩博士のグループが37年間にわたる統計の研究から、三朝地域の癌死亡率は全国平均の約2分の1であると発表されている。
 また、岩盤浴(放射線)で有名な秋田県の玉川温泉は、毎年、癌患者をはじめ難病の方々が数万人訪れている。昭和の初期に東北大学医学部や岩手大学、弘前大学などにおいて盛んに研究され、その研究で博士の学位を贈られた学者は8名にも上るほど詳細な臨床的研究(玉川温泉研究会)が行われてきた。
 このようなラジウム温泉や岩盤浴の地域では、発生するラドンや微量の放射線が一般地域より多い。日本放射線学会が唱える放射線の比例直線的解釈が正しければこの地域に癌患者が多発しなければならない。
 しかし実際に癌患者の死亡率は全国の平均値より約2分の1の発生率で有為差を認め少ない。つまり、比例直線的解釈は間違いであることが示唆される。つまりラジウムから発生するラドンや微量の放射線がまるで薬のように、私たちの身体の潜在的生命力を刺激し、健康を維持する自然治癒力を刺激・活性化していると考えて良いと言える。
 重要なことは放射線のホルミシス効果は放射線の程度の問題で、この程度の限界点を「閾値しきいち」と呼び、現在の放射量の10~100倍といわれ、この値は個人差はあるが、日頃から微量の放射線を生活に取り入れることが健康にとって有用であると結論付けている。
 疫学調査では長崎の被爆者を永年追跡調査した結果、ある距離の原爆放射能被爆者(手帳所有者)は、一般の平均寿命より長寿である。これは、放射線量×時間=危険という「比例直線的解釈」が間違いである事を示しているその他の例といえる。また、この事象は三朝温泉に限らず、玉川温泉、山梨県の増富温泉、バドガシュタイン温泉でも同様な研究結果が確認されている。特にバドガシュタイン温泉は世界的に有名である。一般平均よりも多くの放射線を浴びながら、癌患者の少ない玉川・三朝温泉地区の方々と彼らより少ない放射線の中で暮らしながら、増えつづける全国の癌患者の方々と何が違うのか? この差はホルミシス効果の差と考えられるのではないだろうか。

(図3)
オーストリア
バトガシュタインの岩盤浴場
(図4)
ラジウム鉱石
天然バトガシュタイン鉱石
(図5)
平常時
測定結果
(図6)
ラジウム鉱石
測定結果
(図7)
堀博士開発品の塊
測定結果
(図8)
堀博士開発品の1粒
測定結果
オーストリア・バトガシュタインの岩盤浴場 ラジウム鉱石・天然バトガシュタイン鉱石 測定結果 測定結果 測定結果 測定結果

 バトガシュタイン温泉(図3)では、古い坑道の中には天然のラドンが充満し、そのラドンを吸収、あるいは浴びるための岩盤浴が、医師の指導の元で行われている。つまり、国が医療と認め、放射線ホルミシス効果による治療として、岩盤浴を行っており、世界中の国から多くの人が治療に、あるいは健康の維持にと訪れている。

ホルミシス効果の分子生物学や生命科学の知見

 まとめると、次のようなことが考えられる。

鎮痛効果

 少しの放射線を当てると、脳内ホルモンの一種で、様々な痛みを緩和する作用を持つメチオニン、エンケファリン、ベータエンドルフィンなどの分泌が促進することが知られている。これは鎮痛作用を持ち、様々な痛みを緩和する。これらの物質を誘導するメカニズムは、まだ明らかにされていないが、オーストリアのバドガシュタインやアメリカのボウルダーなどにあるラドン温泉やラドン洞窟でのリュウマチ性関節炎、腰痛、筋肉痛などの痛みに対する治癒効果は、この鎮痛作用によるものであろう。

癌治療効率の向上と再発の防止

 悪性リンパ腫では少しの放射線を当てる治療を、従来の癌治療と組み合わせると治療効率の向上がみられた。この方法は他の胃癌や肺癌などの固形癌にも応用できる可能性がある。このメカニズムとしては、癌抑制遺伝子P53の増加、免疫機能の活性化による癌細胞除去能力の向上が考えられる。

病気の進行抑制

 アルツハイマー病、糖尿病、ウイルス性肝炎をはじめとする難病の多くは、活性酸素等によって組織内の細胞が次々に死んでいくためである。少しの放射線を当てると、細胞内のSODやGPxなどの酵素が細胞内に増加し、活性酸素などによる害を抑え、結果として病気の進行を抑える可能性がある。糖尿病については、マウスで病状の進行が抑制されたという実験データもある。

老化の防止

 新陳代謝、細胞膜の保護、酸化を防御する機能、免疫機能など、老化に伴って一般的に低下するこれらの機能が、少しの放射線を当てることによって総合的に活性化され、老化の防止につながる可能性がある。

酵素

 体内では、放射線、日常的に呼吸したり食物をエネルギーに変換したりする際(新陳代謝)の副産物としてできる活性酸素やフリーラジカルがつくられる。細胞膜や細胞内にある核膜を通した物質の移動こそ生命活動の基本である。長い間に徐々にこれらの膜を構成する脂質が酸化され、過酸化脂質が増加する。その結果、膜の透過性が失われて、物質の移動がスムーズに行われなくなり、あらゆる生命活動が低下していく。
 また、直接DNAを損傷したり、細胞を死なせたりする原因の一つになっている。しかし、我々の身体全ての細胞には、これらの有害な作用を抑制し、若い健康な体を維持するために大切なSODやGPxという酵素で妨害し、大部分は修復されるが、残念ながら100%修復されるわけではない。
 しかし、遺伝子の修復が十分でない不良細胞があれば、癌抑制遺伝子であるP53がつくるタンパクがそれを見つけてアポトーシスを起こさせ、組織から排除する。
 しかし、一度に大量の放射線を受けると、この修復能力を超えるため、骨髄や内臓などの機能が低下し、最悪の場合、死に至ることもある(チェルノブイリ等)。
 少しの放射線を受けた場合の医学的な効果は、身体が様々な条件に応じて生理的に反応する事が(適応応答)、その根底にあると思われる。
 ラドン温泉をはじめとする少しの放射線による良い効果は、そうした防御反応の現れであると考えられる。
 この結果は、心筋梗塞、脳梗塞、癌、糖尿病、高血圧等、生活習慣病の予防と治療が大いに期待できるのである。

放射線ホルミシス効果の作用機序

 現在判っているメカニズムをまとめてみると以下のようになる。
 まず、放射線、特にエックス線やガンマ線は物質を透過する力が大きく、体の内部にまで届く放射線が身体を透過するときに身体の中で最初に起こる現象は、水分子が放射線によって分解され、反応性の非常に高いフリーラジカル(最も電子を与えたがる性質)の一種であるヒドロキシルラジカル(・OH)が出来る。全てはここから始まる。
 体は70%以上が水でできている為、いたる所で(・OH)ができると考えてよい。ラジカル(radical)は、電子対を作らない電子を持つ原子や分子のこと。フリーラジカルまたは遊離基とも呼ばれる。通常、原子や分子の軌道電子は2つずつ対になって存在し、安定な物質やイオンを形成する。
 ここに熱や光などのエネルギーが加えられると、電子が励起れいきされて移動したりあるいは化学結合が解裂すしたりることによって不対電子ができ、ラジカルが発生する。
 ラジカルは通常エネルギー的に不安定な為、生成するとすぐに他の原子や分子との間で酸化還元反応を起こし安定な分子やイオンとなる。
 ラジカルは奇数個の電子を持つため、磁性など電子スピンに由来する特有の性質を示す。このため、ラジカルは電子スピン共鳴による分析が可能である。
 酸化還元反応において、電子が授受される方向は酸化力の強弱にしたがっている。それは相対的なものであって、酸化剤自身は酸化後、還元された状態になるが、それに対してより強い酸化剤を作用させると酸化される。金属イオンの場合はイオン化傾向の順で酸化力(むしろ還元性というべきか?)の序列が定性的に知られている。
 一方、金属とイオンの場合、酸化還元反応系を旨く隔離すると電池を形成する。
 このとき条件をそろえると電池の起電力は酸化力の尺度となる。以上の原理を元に導入された酸化還元の強度の尺度が酸化還元電位である。例えば、ラジカルに1電子を奪われた分子が他の分子から電子を引き抜くと、その分子がさらにラジカルを形成するため、反応は連鎖的に進行する。反応はラジカル同士が反応して共有結合を生成するまで続く。このような反応をラジカル(連鎖)反応と言う。
 燃焼は最も良く知られたラジカル反応の1つであり、ハロゲン分子が炭化水素と反応しハロゲン化アルキルを生じるのもラジカル反応である。
 ヒドロキシルラジカレルは逆に電子を与えるが同様に働く。これが大量放射線被爆等により多量にできるとDNAが損傷し、細胞が死に、その結果病気や死に至ることがある。しかし、低レベル放射線が少量の場合は細胞内に刺激を与えるにとどまり、それが合図となって細胞の防御機能を高め、身体によい影響をもたらすと考えられる。
 また、特記すべき点として低レベル放射線は電子が常に飛び出している。低レベル放射線のうちアルファ線、ベータ線は非常に透過性が弱い。(俗に言うマイナスイオンである。しかしマイナスイオンの本来の意味は水に溶解しマイナスの電化を持ったミネラルの事であり、電子の事ではないがコマーシャルベースでマイナスイオンという俗語が作られている。滝の水が地面や水面に当たり発生する超音波や電子の事をレナード現象といい、ここでもマイナスイオンという言葉が使用されるが、これも電子の事である)。この電子は半径約2mで消失する。
 低レベル放射線(天然ラジウム)からアルファ線、ベータ線、エックス線やガンマ線が放出されエックス線やガンマ線により出来た余分な(・OH)はエネルギー的に不安定な為、生成するとすぐに酸化還元反応を起こし安定化しようとする。その時、(・OH)は(OH)になる(還元)。
 反応した物質(酸化)は(・)電化を受け取り老化を起こす。また(・OH)の電子は解離し易くアルファ線、ベータ線の電子が当たると(・OH)の電子が体外に放出され(還元)活性酸素を水や酸素に変換し除去する。
 これがホルミシス効果の一つである。

岩盤浴の種類

 現在の主流は「ゲルマニウム」「遠赤外線」「証明がなされないマイナスイオン」による岩盤浴が最も多いようである。しかし、今回の Doctor Holly の提案は泥の中に破邪の塩とスピリットを入れ温熱刺激に加え低レベル放射線ホルミシス現象を加えた物である。

スピリット

 スピリットは、上記バトガシュタイン(天然ラジウム)で採取された鉱石(図4)を粉砕し、表面積を出来るだけ拡大し、さらに他の鉱物と共に焼成する事により放射線の放出量を一般平均の1.3~3倍程度に保つ安定した素材で、簡単に自宅で『低レベル放射線ホルミシス効果』を発揮する事が可能なものである。

使用法

  1. 湯銭でスピリットの袋を温めタオルで包み患部に当てる。
  2. 患部の下にオイル(ニン)を塗る。
  3. 熱くなったら場所をずらす。
  4. さめたら湯煎で温める。
  5. 12時間以上同じ場所に置かない(ずらすのは1cm程度でよい)。
  6. 時間が許す限り行う。
  7. シワ、たるみの個所は多くの時間をかける。
  8. 癌の人は24時間四六時中行う。
  9. 使用時ホカロンのようなものをその上に置き持続的に温める事をお勧めする。

ラジウム(Radium)

 原子番号88の元素。元素記号はRa。アルカリ土類金属の1つ。安定同位体は存在しない。天然には4種類の同位体が存在。
 白色の金属で、比重はおよそ5~6、融点は摂氏700℃、沸点は摂氏1140℃。常温、常圧での安定な結晶構造は、体心立方構造。反応性は強く、水と激しく反応し、酸に易溶。空気中で簡単に酸化される。
 原子価は2価。化学的性質などはバリウムに似る。ラジウムがアルファ崩壊してラドンになる。
 ラジウムの持つ放射能を元にキュリー(記号Ci)という単位が定義され、かつては放射能の単位として用いられていた。現在、放射能の単位はベクレル(記号Bq)を使用することになっており、1キュリーは3.7×1010ベクレルに相当する。以前は、放射線源として医療分野等に使用されたが、現在はコバルト60に代わっている。

活性酸素

 酸素が化学的に活性になったものである。強い酸化力を持つ。分子構造は本来の酸素分子と大きく違わない。

活性酸素の種類

 一般に活性酸素とフリーラジカルは混同されることが多いが、活性酸素にはフリーラジカルとそうでないものがある。スーパーオキシドアニオンラジカルやヒドロキシルラジカルはフリーラジカルである。過酸化水素や一重項酸素はフリーラジカルではない。

 がある。
 抗酸化物質にはビタミンC、ビタミンE、ベータ・カロチン、ビタミンAなどがある。
 活性酸素を除去する酵素にはカタラーゼ、スーパーオキシドディスムターゼなどがある。近年、米国では、食材や健康食品の抗酸化能力の指標としてORAC(Oxygen Radical Absorption Capacity, Oxygen Radical Absorbance Capacity。活性酸素消去能を数値化したもの。)を採用する傾向にある。抗酸化作用で酸化ストレスを抑制する、とされている各種ビタミンの科学的根拠は立証されていない。
 ベータ・カロチンでは逆に、過剰摂取によって癌や心血管死のリスクを増す可能性が指摘されている。スーパーオキシドアニオンは活性酸素の一種で、酸素分子に電子が1つ余分に付加したもの。不安定で周辺の物質とほとんど無差別に反応して酸化する。過酸化水素やヒドロキシラジカルの前駆体にもなる。人体からスーパーオキシドアニオンを除外する物質にはスーパーオキシドディスムターゼ、ビタミンC等がある。ヒドロキシルラジカルはヒドロキシル基(水酸基)のラジカルである。(・OH)で表される。いわゆる活性酸素と呼ばれる分子種のなかでは最も反応性が高く、最も酸化力が強い。糖質やタンパク質や脂質などあらゆる物質と反応する。しかし、すぐに消滅する。人体からヒドロキシラジカルを除去する物質にはベータカロチン、ビタミンE、尿酸、リノール酸、システイン、フラボノイド、グルタチオンなどがある。

一酸化窒素

 血管内皮は一酸化窒素をシグナルとして周囲の平滑筋を弛緩させ、それにより動脈を拡張させて血流量を増やす。これがニトログリセリン、亜硝酸アミル、一硝酸イソソルビド等の亜硝酸誘導体が心臓病の治療に用いられる理由である。これらの化合物は一酸化窒素に変化し、心臓の冠動脈を拡張させて血液供給を増やす。一酸化窒素は陰茎の勃起でも働く。

論文例

  1. 古元嘉昭・岡山大学教授(現名誉教授)や山岡聖典(財)電力中央研究所上席研究員(現岡山大学助教授)らは、鳥取県の三朝温泉に近い池田鉱泉水で、兎にラドンを吸入させる実験を行った。その結果、インシュリン(糖分代謝)、メチオニンエンケファリン(鎮痛効果)、ベータエンドルフィン(爽快感)、アドレナリン(積極行動)などの健康を維持・持続するために大切なホルモンの分泌の増加が確認された。
  2. 坂本澄彦・東北大学医学部教授(現名誉教授)は、長年にわたって放射線基礎医学の研究をしてきた。その研究成果を踏まえて、死亡率が高く難病とされている悪性リンパ腫について、癌組織に放射線を直接当てる従来の治療を行った患者と、従来の治療を行う前に少しの放射線を全身に当てる治療を複数回行った患者の治療効果を比較した。その結果、治療後10年を超える追跡調査で、従来の治療法では生存率が50%であるのに対し、少しの放射線を全身に当てる方法を併用した治療法の場合では、生存率が84%という高い実績が得られた。
  3. 奈良県立医科大学の大西武雄教授は、坂本澄彦教授が用いた治療で効果があったのは、癌抑制遺伝子p53が活性化したからではないかと考えた。そこで、マウスの全身に少しの放射線(X線)を当てた後、6時間あるいはそれ以上経過してから、癌抑制遺伝子p53の作るタンパクが、各臓器の細胞内でどのように増減するのかを調べた。その結果、マウスのあらゆる臓器内の細胞でこのタンパクが飛躍的に増加することが判明した。このことにより、癌抑制遺伝子p53が活性化していることが確かめられた。
  4. 森昭胤・岡山大学教授(現名誉教授)や山岡聖典上席研究員らは、マウスの全身に少しの放射線(X線)を当てる実験を行った。その結果、SODが飛躍的に増加することが判明した。
  5. 山岡聖典上席研究員や小島周二・東京理科大学助教授らによる4.と同様の実験の結果、GPxについても飛躍的な増加が確認された。
  6. 森昭胤教授や山岡上席研究員らによる、マウスに少しの放射線を当てる実験や、山岡上席研究員らによる、ウサギにラドンを吸入させる実験の結果、膜の過酸化脂質が減り、透過性が上昇することが判明した。

陰陽五行表

五行
五色
五方西
五臓
五腑小腸大腸膀胱
五指薬指中指人差指親指小指
五味
五悪湿
五味の走る所
五時土用
五感皮膚
五液
五塵色(視覚)声(聴覚)香(嗅覚)味(味覚)触(触覚)
五節句人日上巳端午七夕重陽
五星歳星(木星)螢惑(火星)填星(土星)太白(金星)辰星(水星)
五音
五情
五事
五獣青竜朱雀黄竜白虎玄武
五畜
五果
五穀大豆
五菜韭(ニラ)薤(ラッキョウ)葵(セリ)豆の葉
五常
十干甲・乙丙・丁戊・己庚・辛壬・癸
十二支寅・卯巳・午辰・未・戌・丑申・酉亥・子
月(旧暦)1~3月4~6月(割当なし)7~9月10~12月

静電気

 静電気せいでんきとは、物体(主に誘電体)に電荷が蓄えられる(帯電する)現象、および帯電した電荷のこと。二種類の誘電体の摩擦によって発生する電荷の蓄積のほか、帯電した物体との接触などによっても生ずる。なお、物理学用語として正しい用法ではないが、摩擦等によって生じ、物体に蓄積された電荷が一気に火花放電する現象(冬場のバチッと言うあれ)のことをさして静電気と称することがある。
 静電気は絶縁物(誘電体)の表面に蓄えられる。
 雷もまた、雲に蓄えられていた静電気によって引き起こされる放電現象である。
 静電気は紀元前600年頃タレスによって発見された。
 誘電体をこすり合わせたときに生じる静電気の符号は、物体の組み合わせによってきまる。組み合わせたときに正の電荷を生じるものを右に、負の電荷を生じるものを左になるように並べると、誘電体を一直線上に並べることができ、この列のことを帯電列と呼ぶ。

生活の中での静電気

 日常生活のなかで、静電気の発生が問題となることがある。じゅうたんの上を歩くことによって、床と人体との間で静電気が生じたり、特に化学繊維を用いた衣服がこすれることによって帯電したりすることがある。静電気の電圧が高くなると、火花放電となって観測される。空気が湿っていると静電気が逃げやすくなるので、これらの現象は湿度の低い季節におこりやすい。日本においては、冬場の室内で暖房器具を用いている際にそのような条件が整うことが多い。人体表皮からの火花放電は、しばしば痛みを伴い不愉快に感じられるものである。
 通常は流れる電流も小さく生命機能に影響を与えることはないが、時として危険・有害なこともある。
 可燃性気体のあるところで火花放電が起こると、火災や爆発が起こり非常に危険である。通常、可燃性の危険物を取り扱うような作業をする際は、静電気の起こりにくい木綿などの服を着用し、静電気のたまりにくい導電性の高い材質で作られた靴を履くことがもとめられる。
 ICなどの半導体部品を扱う際、静電気による高電圧が素子を破壊する危険がある。コンピュータ工場などでは静電気が起こりにくいような服装をするほか、体の一部をアースに接続しておくなどの対策が有用である。一般家庭において、PCの内部を触るときなども、電子部品に触れる前に筐体の金属部分に触れるなどして静電気を逃がすのが安全である。

クーロンの法則

 クーロンの法則は、シャルル・ド・クーロンが発見した電磁気学の基本法則。荷電粒子間に働く力を記述する。1785年から1789年にかけて発見された。
 クーロン相互作用は二体相互作用で、その力の大きさは二つの粒子の電荷(数式数式)の積に比例し、粒子間の距離yの二乗に反比例する。同符号の電荷のあいだには斥力、異なる符号の電荷のあいだには引力が働く。
数式
 ただし、Fを力の大きさ、qを電荷の大きさ、γを2物体間の距離とする。kは比例定数である。SI単位系で記述すると比例定数kには(真空の)誘電率εがあらわれる。この力のことをクーロン力と呼ぶ。
 方向まで考慮すると、
数式
 クーロン力は以下のようなクーロンポテンシャルから導くことができる。
数式
 クーロン力は位置のみに依存する保存力であることがわかる。
 また、磁気に関しても距離の逆自乗の関係があり、発見者(同上)の名にちなんでクーロンの法則という。
 Fを力の大きさ、mを磁荷、kを比例定数µは真空の透磁率とすると。
数式
 書き換えると、
数式
 ただし、この定義はEHとなるため,磁荷の単位はWb(ウェーバ)となりHの単位はAT/m.Bで別表記すると
数式
 と言う対応から、
数式
 となる。また次のようにも考えられる
数式
 ゆえに、
数式
 となる。

誘電体

 誘電体ゆうでんたいとは、高い誘電率を有する物質である。広いバンドギャップを有し、電気的には絶縁体としてふるまう。身近に見られる誘電体の例として、多くのプラスティック、セラミック、雲母マイカ、油などがある。不純物の全く入っていない純粋な水(純水)も誘電体である。
 誘電体は電子機器の絶縁材料、コンデンサの電極間挿入材料、半導体素子のゲート絶縁膜などに用いられている。また、高い誘電率を有することは光学材料として極めて重要であり、光ファイバー、レンズの光学コーティング、非線形光学素子などに用いられている。

誘電分極

 誘電性の源は誘電体内部に電気双極子が生じることである。これを誘電分極と呼び、電子分極、イオン分極、配向分極、空間電荷分極に分類される。
 誘電体内部では電子は自由に動くことができない。このような誘電体に外から電界を与えると、誘電体中の原子(あるいは分子)はプラスの電荷に偏った部分と、マイナスの電荷に偏った部分に分かれる。これを電子分極と呼ぶ。
 NaClのようなイオン結晶の場合、外から電界を与えるとNaとClが相対的に変位して双極子が発生する。これをイオン分極と呼ぶ。配向分極は誘電体を構成する分子が極性を持っている場合に考えられる。
 電界がかかっていない場合分子はランダムな方向を向いているため全体としては電気的双極子を持たないが、電界を与えると分子が配向するために双極子が生じる。配向分極では一般に双極子モーメントが電子分極やイオン分極よりも大きい。さらに電界を充分に長時間かけていると電荷担体が誘電体の中を移動して双極子を生じる。これを空間電荷分極と呼ぶ。

誘電分散

 材料の比誘電率は電界の周波数に依存する。その原因として誘電分散と呼ばれる現象がある。これは誘電分極の周波数応答性の違いによって説明される。空間電荷分極と配向分極は緩和型、イオン分極と電子分極は共鳴型の誘電分散を示す。

強誘電体

 外から電界を与えなくても、自発的に分極している誘電体を強誘電体と呼ぶ。 強誘電体の特徴として、非常に高い誘電率を有する。
 誘電分極にヒステリシス特性を有する。この特性は不揮発性メモリ(FeRAM)に応用されている。

圧電性

 応力を加えることにより、電圧が発生する。

焦電性

 微小な温度変化に応じて、電圧が発生する。この性質は赤外線センサなどに応用されている。

高誘電率材料と低誘電率材料

 半導体素子の微細化、低消費電力化のために、トランジスタのゲート絶縁膜を薄膜化し、静電容量を大きくすることで、高性能化を計ってきたが、量子力学的なトンネル効果等によるリーク電流の増大を招き、デバイスの信頼性を著しく低下させている。薄膜化に代わる高性能化の方法として、ゲート絶縁膜を高誘電率絶縁膜(High-K絶縁膜)にする必要性が高まってきている。有望な高誘電率絶縁膜としてHfO2系材料などが挙げられる。
 同時に半導体素子の微細化は、多層配線間でコンデンサ容量(寄生容量)を形成してしまい、これによる配線遅延が問題になってきている。寄生容量を低減させるために層間絶縁膜を低誘電率絶縁膜(Low-K絶縁膜)にする必要性が高まってきている。有望な低誘電率絶縁膜としてSiOF(酸化シリコンにフッ素を添加したもの)、SiOC(酸化シリコンに炭素を添加したもの)、有機ポリマー系の材料などがある。