アトピーについて「深層水について(1)」

 人間をはじめ生物が海から進化してきたことは間違いのない事実ですし、我々人間も母親のお腹の羊水の中で育ち生育して、産声とともにこの世に誕生します。このように、海と生命は切っても切り離せない関係にあります。また、根本的な人類存亡を左右しはじめている環境汚染、食料問題、エネルギー問題など海が深く関わっています。
 海は陸上の2倍以上の面積を占め、膨大な海洋生物資源、有用鉱物資源、エネルギー資源など、多種多様な資源が存在しています。さらに今後、生活、輸送空間の場として重要な位置を占めようとしています。とくに健康に大切で注目を集めているのが海洋深層水です。深層水は水深200mより深く、魚類のエサの元となる栄養塩を豊富に含み、半面、細菌数が極度に少なく、太陽光が届かない、低温海水のことです。富栄養性、清浄性、低水温性など再生循環性の膨大な資源価値をもつことから、国内外で研究開発が進められ1世紀を迎えたところです。
 海水に包蔵する資源に近代科学の目を向けたのは、フランスの物理学者ダルソンバールです。彼は1881年海水の深度による温度差を利用した熱機関の作動原理を提唱しました。今日の海洋温度差発電はこの考えを基にしています。日本の海洋温度差発電の研究開発は、1970年代から大学や研究機関などで開始され、サンシャイン計画として経済性資源量、将来性などが検討されています。
 こうした海洋深層水をエネルギー資源ととらえる研究の潮流のなかで、食料問題の解決策として人工的な湧昇を利用する研究が、1970年頃米国のコロンビア大学のローエル教授により着手され、カリブ海セントクロイ島での水産海産物の培養養殖システムが開発されました。日本でも同年代から海洋科学技術センターの中島光先生らによる水産物の生産技術研究が開始されました。この一環として、富山湾(滑川市)で世界発の人工湧昇実験、高知県室戸市には陸上型人工湧昇施設が設立されています。
 海洋深層水が表層に湧き上がっている湧昇海域で良い漁場が形成されるのは、深層水に含まれる豊富な栄養塩類が植物プランクトンの光合成を促進し、食物連鎖を活発にすることによるものです。海洋科学技術センターでは、この生産性の高い深層水を人工的に湧昇させて生物生産を試みています。また、富山湾氷見沖では1988年から、深層水の高濃度栄養塩を利用した海域肥沃化実験が開始されました。
 高知県の海洋深層水研究施設は1986年に建設され、1994年には2本目の取水管が設置されました。この取水装置は内径12.5cm、長さ2,650mのポリエチレン製の管で、水深320mの海底から1日に460tを汲み上げ、物理的、科学的、生物的などの特性の解明が基礎調査研究としてなされています。
 医学分野ではアレルギーやアトピー治療に深層水を1日に数回塗布したり、深層水に含有している各種ミネラルを抽出して入浴剤に添加して効能を高めたりしています。また、副次的に深層水を利用した日本酒、頭髪シャンプー、化粧水なども製品化しているようです。沖縄県浦添総合病院では、人工透析患者の痒みの解消に深層水を使用し、効果を発揮しているといいます。富山県の深層水利用は、1986年に開始され、水深300mの海水を汲み上げています。
 最近では深層水の多角的利用に関する研究が行われ、水産分野以外でも資源エネルギー、化学、医薬など多くの分野で利活用が期待されています。以下に深層水の概要を示します。

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