ミネラルについて「宇宙人の血液はブルー1色」

 皆さんもご存じのように、我々人間の血は赤いのですが、火星人のモデルと思える蛸やイカなどの軟体動物の体液はブルーなのです。何故でしょうか。緑色野菜の主成分の葉緑素(クロロフィル)はポルフィリン還という構造の中心にマグネシウムがあり、グリーン色をしています。このマグネシウムが鉄と置き換わったのが、我々の血液が赤く見えるヘモグロビン(赤血球の赤色の血色素)で、外側の構造はまったく同じです。つまり、葉緑素を取れば血色素ができやすいのです。
 このように緑色野菜にはマグネシウムが多いのです。もっとも多いのは米のヌカで、そのほかナッツ類、玄米、サンゴ草、海藻などにも多いのです。また甲殻類や軟体動物の体液はポルフィリン環の中心にあるマグネシウムや鉄と銅が入れ替わり、ブルー色のヘモシアニンという物質になります。よって甲殻類の体液は青銅を摂取することになり、あまり良くないといわれる所以です。その甲殻類や軟体動物の体液のヘモシアニンの材料は、生後すぐに海藻に身を隠しながら生活し、海藻のクロロフィルを吸収することに起因すると考えられます。つまり、マグネシウムは野菜や海藻を食べていれば、そんなに不足することはありません。
 マグネシウムの働きで一番よく分かるのは、便が軟らかくなることです。つまり、緩下剤としての働きを持っています。病院で出されるマグネシアは酸化マグネシウムであり、水酸化マグネシウムでも同様の効果が得られます。みな、マグネシウムの緩下作用を利用しているのです。野菜を食べると便通がよくなるのは、センイ成分の働きのほかにマグネシウムの効果もあるのです。
 マグネシウムの異常には高マグネシウム血症と低マグネシウム血症があります。血液中のマグネシウム量は100ml中約4mgが正常ですが、それ以下になると低マグネシウム血症になります。その症状は(1)精神・行動の異常(抑ウツ、感情がにぶい、不安、興奮しやすい) (2)神経・筋肉の疲労(はじめは脱力感くらいから、ひどくなると筋肉のケイレン、ふるえ) (3)消化器系の異常(胸焼けや胃酸過多) (4)不整脈(心臓の伝達障害) などです。こういうときマグネシウムを与えると治まることがあります。
 マグネシウムはタンパク質や糖といっしょのときは、わりあい吸収が良いのですが、脂肪があるときは吸収が悪くなります。マグネシウムと脂肪が結合して不溶性物質になるためで、脂肪分の多いステーキなどは避けるべきです。また、消化不良や下痢のときも吸収が悪くなります。
 前回、水の硬度が高い地方では心疾患が少ないことを述べました。これは厳密にいうと、カルシウムとマグネシウムの比が大切で、この比が大きい、つまりカルシウムが多すぎてマグネシウムが少なすぎるといけないのです。この比が大きくなると、狭心症や心筋梗塞などの心臓病が増えるといわれます。米国、オランダ、フィンランドなどがそれで、とくに米国で心臓病が多いのは、カルシウムが多くマグネシウムが少ない飲料水が原因といっても過言ではありません。
 つまり、カルシウムは多すぎても少なすぎても害になるのです。このように矛盾する現象を「カルシウムのパラドックス」といいます。この観点からいえば、カルシウムの摂取不足が結石の原因とされていますが、マグネシウムの不足も結石の原因となります。ネズミの実験では、マグネシウム欠乏の原因で飼育すると結石ができる確率が大幅に上昇すると報告されています。
 結石を起こしやすい人は、生水や野菜を取らぬ人が多いのです。尿路結石はシュウ酸カルシウムが主成分の場合が多く、これを防ぐためにはマグネシウムが有効であるといわれます。よって、カルシウムを取るときは必ずマグネシウムも取って、両者の比が崩れないようにしなければなりません。つまりミネラルバランスが大切なのです。カルシウムを多くとると、便秘ぎみになり、マグネシウムには緩下作用があり、調和がとれて好都合なのです。
 高血圧で降圧利尿剤を服用しても血圧が下がりにくいという人は、尿にマグネシウムが出ていくので、マグネシウムの血管拡張作用やカルシウム拮抗作用が弱まり、現状維持もしくは血圧が上がる可能性があるのでとくに注意が必要です。また、マグネシウムは体内で大切な酵素の補助もしています。これが不足すると代謝がうまくいきません。肝硬変やアルコール中毒症の人は、とくにマグネシウムの吸収が悪いのです。したがって、お酒を飲む人は酒のサカナにナッツや木の実などマグネシウムの多いものを取る必要があります。いずれにしても玄米菜食、つまり海藻、野菜、玄米、ナッツ、小麦胚芽、ミネラルバランスのよい構造水などはとくに役立つといえます。

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