ため息について「ホッと短いため息は健康の元」

 前にも少し触れましたが、睡眠時に無呼吸が一晩で30回以上、あるいは1時間に5回以上みられる場合は病気と考えられ、「睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれています。
 一般的には脳の中に呼吸中枢があり、死ぬ間際には脳は酸素不足になり、機能障害に陥りアダムストークス(極端な徐脈や心停止による失神)になるといわれています。しかし、それは間違いだと私は思います。私の考え方は、呼吸筋群が過労現象をおこすことにより無呼吸症候群になり、アダムストークスも呼吸筋群をはじめとする全身が慢性筋肉疲労になり、筋肉が緊張することによりおこると考えています。
 鎖入突筋、全中後斜筋、肋骨筋、横隔膜などの呼吸筋胸には自立的な働きがあり、横隔膜神経を刺激するのは脳からの神経を通ってくるのではなくて、腰椎の起立筋が呼吸をリードすると考えています。死ぬ間際を例にとってみますと、起立筋の疲労が当然おこっていることにより、脳からの信号と呼吸筋の自立的な働きのズレが生じると無呼吸になり、大幅にずれるとアダムストークスになるとみています。
 こういった考え方からすると、起立筋の自立性と脳からの信号とが同調してくると、呼吸が楽に大きくできることになります。横隔膜は腰椎の前面にくっついていて、腰椎が動くことによって横隔膜が刺激され複式呼吸ができやすくなります。つまり、腰椎が動かないと複式呼吸はできないのです。仙腸関節が固いと腰椎が動きにくくなります。この時も同様に無呼吸になると考えられます。
 よって、私は脳だけに中枢があるのでなく、心臓と同じように呼吸筋にも自立性があると考えています。例えば、蛇の首を切り落としてもしばらく、心臓は拍動しています。生きるに必要な不可欠な組織はある程度の自立性があってしかるべきだと思います。当然、この考え方は医学の常識ではありません。では、なぜそのような考え方にいたるかといいますと、脳だけの命令でのみ支配されているならば、胸式呼吸、複式呼吸ともにできなければならないにも関わらず、胸式呼吸ができ複式呼吸ができない人、またその逆に横隔膜が上がりっぱなしで胸式呼吸や無理に首で呼吸している人が存在するのは筋道が通らないからです。
 つまり無呼吸症候群の人はため息がつきにくいのです。そういった人はため息をついて下さいといいますと、「ハァー」と長いため息を無意識のうちにつきます。これは正しいため息ではなく、「ホッ」と短いため息ができない状態にあるのです。そこで腰椎、仙腸関節、呼吸筋を指で圧迫しますと大変痛がります。ていねいに温めると「ホッ」というため息がつけるようになります。
 また、よく寝るためには副交感神経を興奮できる状態にしなければなりません。前にも少し触れましたが、副交感神経は迷走神経に支配されており、迷走神経は仙骨から出て恥骨、座骨にかけて走行、それ以外の場所の慢性筋肉疲労の影響は受けません。痔の人は負け犬が尾を巻いている状態と同じで、背中側の筋肉より恥骨、座骨の付近が緊張しているため、猫背状態になり腹部側の血行循環が悪くなり、それにともない起立筋に余分に負担がかかり慢性筋肉疲労になるため無呼吸症候群になりやすく、不眠症になりやすいといえます。
 そういった人はリュウイン(喉を詰める)状態の人が多く、胸椎の胃の少し下が外に飛び出した状態になり、腎臓のあたりの起立筋が固くなります。また、肋骨の最下部が固くなり胸が開きにくく、腹筋が緊張し、恥骨が前に飛び出し骨盤が下に落ち込む状態になり、胸が開かず、首で息をするのです。その際、下顎は後方に引かれ首が縮むためリンパ液の循環が悪くなり、鼻が詰まることになります。
 すなわち、口を開かないと息ができなくなり、口呼吸となります。首が縮むと口を開けなければ呼吸ができなくなるので、口呼吸の人に痔が多いのです。これは不安症の典型だと思います。口呼吸によりヨウレン菌が扁桃腺に感染しますと、腎臓と生殖器もヨウレン菌に犯されやすい組織親和性があるといわれていますので、口呼吸は避けるべきだと思います。

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