あなたが平素行っている呼吸は鼻か口か?「鼻呼吸か口呼吸か、10の鑑別診断法」

 あなたは普段、鼻と口のどちらで呼吸していますか? こう聞かれると、多くの人は「鼻です」と答えるでしょう。ところが、実際にはほとんどの人が口でも呼吸しているのです。
 鼻が完全につまっている場合を除き、呼吸の100%を口で行っている人はあまりいませんが、呼吸全体の何10%が無意識のうちに、口呼吸しているという人が大部分なのです。では、あなたの呼吸は鼻か、口か、簡単な自己点検として次のようなポイントを挙げてみました。チェックしてみましょう。次のうち、いくつ当てはまりますか?

  1. 自然な状態でいると口が少し開いて締まりがない状態になる。
  2. 前歯が飛び出したり歯の隙間が多い。
  3. 上下の歯の噛み合わせが逆さまの反対交合(受け口)である。
  4. 片方ばかりで物を噛んだり、歯の噛み合わせが悪い? 下唇が上唇より分厚い。
  5. 唇がかさかさ乾燥する。
  6. 朝起きるとよくのどが痛い。
  7. 上唇全体が富士山形である。
  8. 物を食べるときに、クチャクチャと音がする。
  9. アレルギー性鼻炎などの鼻づまりがある。

 ひとつでも当てはまれば、日常あるいは睡眠中に口呼吸していることが疑われます。とくに、複数当てはまる人は、口呼吸の割合が多いと思った方がよいでしょう。
 「それがどうした。鼻でも口でも結局肺で呼吸するのだから同じではないか」と思う人もおられるかもしれません。が、実は鼻呼吸か口呼吸かは重大な問題なのです。先週も述べましたが、哺乳動物のうち口で呼吸するのは人間だけであり、口呼吸は生物として不自然で誤った呼吸法なのであります。そのため、体にさまざまな害をもたらします。
 これまで原因不明で治りにくいといわれてきた病気の多くは、口呼吸と深く関連しているといって過言ではありません。実際に口呼吸をやめた結果、これらの症状が著しく改善、または解消できた例がたくさん報告されているのです。
 それでは口呼吸の癖を直して鼻呼吸に戻すにはどのようにすればよいのでしょうか。
 まず、癖を自覚し直す決意をすることが大切です。しかし、なかなかうまくいかないのが現状です。具体的にどのようにすれば鼻呼吸になるのか、そのトレーニング法について述べることにします。
 日本では小さい頃から口呼吸をする子供も多いようですが、これは離乳を急ぐあまり、早く「おしゃぶり」を取り上げるからです。実は、おしゃぶりは鼻呼吸と咀嚼(そしゃく)の基本的な訓練になっているのです。欧米では最近、授乳期後も三、四歳までおしゃぶりをさせています。大人でも、夜などはおしゃぶりの訓練をすれば効果的です。
 また、口だけマスクをしたり、唇を閉じて絆創膏を縦に軽く貼るのも良い方法です。(ただし強く貼ると、くしゃみの際、鼓膜が破れる恐れがあるため注意が必要)。貼る際、下唇から上唇の方に貼るのが良いようです。つまり、絆創膏の張力が下顎を少し前に出す力として作用することにより、気動を少なからず大きくすることができるのです。
 加えて、日ごろ使わない側の歯で口を閉じて無糖ガムを噛むと、口呼吸だけでなく、片側だけで噛む癖まで直せます。また鼻の側面と鼻真の所を指で刺激するのも効果的です。最近よくスポーツ選手が鼻に絆創膏のようなものを貼っているのを見かけますが、これも鼻呼吸を楽に行うための一例で、睡眠中に鼻中隔を圧迫する装置も市販されています。
 免疫系疾患の患者に、一般的な治療と併せて口呼吸を直す治療を施すことにより、症状が改善された症例が多く報告されています。あなたもできる限り口呼吸を行わないように注意しましょう。

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