扶桑社「週刊スパ」2015年9月8日号に記事掲載

願いが叶う「引き寄せオナニー」革命
「引き寄せの法則」とオナニーを合体させた「引き寄せオナニー」が、数年前から一部でひそかな話題となっている。「恋愛が成就した」「大金を手にした」……謎だらけの願望達成法に迫った!

 オーガズム時には願望達成の扉が開く!?
「引きよせオナニー」とは? そもそも引き寄せの法則とは何か?
 人間の意識は日常で表出している5~10%の顕在意識と、24時間バックグラウンドで働く90~95%の潜在意識(無意識)で構成されているという。潜在意識は自身が得てきたあらゆる情報の宝庫で、第六感や「虫の知らせ」などもこれによるものだ。潜在意識は、ユングが提唱する森羅万象の無意識の集合体「集合的無意識」と繋がり願望達成に必要な状況を整えるが、普段は意識的にアクセスできない。そこで、顕在意識との垣根が外れるオーガズム時を利用しようという理論なのである。
 サイエンスライターの川口友万氏は、次のように話す。
「潜在意識という考え方そのものが心理学的領域であるため、科学的な分析はできません。ただ、「引き寄せ」では潜在意識に繋がる領域は右脳と言われています。右脳はリラックス、睡眠、SEX、食欲などを司る副交感神経に結びついており、オーガズム時は右脳にフルアクセスできる状態になる。そこで強く願えば、潜在意識に焼き付けられる……という理屈なのでしょう」
 また、オーガズム時は瞑想時と似た状態になると言われているが解剖学に詳しい医学博士の堀泰典氏は「潜在意識=瞑想と捉えれば、そこにはγ-波が関係しており、γ-波の頻度が高いときには潜在意識(瞑想)への働きかけも高くなると考えられます」と話す。
「ただし、医学的根拠はありません。γ-波は深睡眠時に見られる脳波ですが、これは瞑想時にも表れると考えられている。γ-波が全体の50%を超えるとREM睡眠となり潜在意識を夢で再現していると考えられていますが、それに積極的に働きかけることは不可能でしょう」
 川口氏同様、懐疑的見解を示す堀氏だが、「ただしオナニーで願望達成される現象が存在するということは、そのメカニズムも将来解明される可能性がある」と一定の理解を示す。
 また、心理学に詳しい予防医学指導士の宮川宙氏はこう話す。
「潜在意識に暗示をかける方法の一つとして「自律訓練法」というものがあります。これはイメージトレーニングに似ていて、リラックス状態のときに、言葉で自己暗示をかけるというもの。自律神経は潜在意識によって動いています。この理論から考えると、オーガズムで脳にセロトニンが分泌→自律神経が安定→その瞬間に願望を口に出して言うか、頭の中にイメージすることで潜在意識が願望を受け取り、「引き寄せ」が可能になると結論づけられます」
 脳と心にはまだまだ未解明の部分が多いからこそ、挑戦する価値があるのかもしれない、引き寄せオナニー。使いこなせば、人生好転させるのは夢ではない!

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