堀先生のおべんきょう塾「アレルギー性鼻炎について」

■免疫とは
 人間の身体には、外から侵入してきた異物=抗原コウゲンと自分自身を見分ける能力がある。そして侵入してきた異物を取り除いて身体を守ろうとする機能を、広い意味での免疫反応と言う。

■免疫の主役とは
 その主役は、リンパ球、白血球などの顆粒球カリュウキュウなどがある。
 リンパ球は大きく2種類に分類される。
(1)胸腺由来細胞は、胸腺=ティームス(Thymus)の頭文字を取り、T細胞(Tリンパ球)と名付けられた。
(2)人間のB細胞は、ニワトリのブルーザ嚢で発見され、そのBrsa嚢の頭文字を取り、B細胞(Bリンパ球)と名付けられた。
 体内に侵入してきた異物は抗原といい、これはMφに取り込まれ、抗原提示細胞コウゲンテイジサイボウとなってリンパ球を刺激する。おおむね、細胞内に侵入した抗原はTリンパ球が反応して破壊し除去する。これを細胞内免疫と呼んでいる。
 また、細胞外に抗原がいるときは、Bリンパ球がTリンパ球の指示を受けて必要な抗体(免疫グロブリン=IgG,IgA,IgM,IgD,IgEの中から選択する)を生産し排除する。これを体液性免疫と呼んでいる。

■アレルギーとは
 免疫反応は身体を守る大切な機能である。その免疫機能が異常に亢進コウシンし過ぎて、抗体の生産が過剰な状態になった場合をアレルギー反応と呼んでいる。
(ヘルパーTリンパ球=ヘルパーT細胞)

■花粉症とは
 花粉や室内の埃(抗原)は、吸い込まれて鼻の粘膜、目の粘膜に付くと、
(1)体内にいたリンパ球の仲間のうち、B細胞がそれを認識する。
(2)続いて、抗原に対抗する物質(抗体)というクリップのようなものをつくり、抗原を封じ込める。
(3)封じ込めた抗原を好中球に食べてもらう。
(4)この時、抗原と結合できずに余った抗体が組織の中の肥満細胞(組織の中を自由に動いている細胞)にくっついた後、再び抗原が侵入し肥満細胞と結合した抗体と合体すると、肥満細胞からヒスタミンという化学物質が放出される。
 ヒスタミンとは、血管透過性の亢進、平滑筋の収縮、分泌の亢進作用などを有する物質である。
 このヒスタミンが、鼻粘膜を刺激すると鼻水が、神経を刺激するとクシャミが、血管を刺激すると炎症をおこし、筋肉を刺激すると筋肉が収縮し、鼻づまりになる。
 このように免疫反応と同じように抗体を作るが、再び抗原の侵入を受けると体に悪い影響を及ぼすものをアレルギーと呼んでいる。
 アレルギーには、B細胞以外のリンパ球も関係している。
 抗原が侵入し、B細胞が抗体を作り始めると、ヘルパーTリンパ球はそれを補助し、サブレッサーTリンパ球は作り過ぎないように抑える働きをし、抗体の量を調整し、抗原とのバランスを保っている。ところが、アレルギー体質の人は、サブレッサーTリンパ球の数が少ないか、抑制力が弱いために抗体の産生を抑えられない。その結果、抗体(細胞外に抗体がいるのでBリンパ球が生産した体液性免疫で特にIgEによる)が必要以上に作られるので過敏な体質になる。
 鼻の周りを揉むのは、ヒスタミンによる筋収縮を緩和する為である。

■鼻炎のシーズン
 スギ、ヒノキ、ハンノキは2~5月、カモガヤは4~5月、ブタクサは8~9月。

■自己免疫疾患とは
 このアレルギー反応が、非自己ではなく、自分自身の組織に反応し、自己の抗体(自己抗体)を作って自分自身の組織を攻撃する疾病を自己免疫疾患と呼んでいる。難病に指定されている。

■膠原病とは
 膠原病は、結合組織に病変が起こるので膠原病(膠原は結合組織中の繊維の事)という。
 代表的なものに、慢性関節リウマチがある。これは、全身性で慢性的な経過を経る。関節は活膜カツマクという軟らかい膜で覆われており、ここに炎症(関節炎)が起きて、朝起きた時にこわばり、対照的かつ多発的に起こるのが特徴である。
 レントゲンでは骨破壊象が見られ、血液検査ではリウマチ因子が陽性になる。
 病状が進むにつれて活膜細胞からの浸出物や、白血球の一種である好中球などにより、骨や軟骨の破壊も起こり、また、活膜から、繊維組織が伸びてきて、肉芽組織が形成され、骨の改造現象(作っては壊す現象)の亢進により、ついには関節の変形が起こる。
 関節外の症状としては、皮下組織や間質性肺炎、貧血などがある。
 また、外分泌腺の自己免疫疾患のシェ・グレン症候群(外分泌腺破壊疾患=口腔内の乾燥、角結膜炎など)を合併することもある。女性に多く、原因は不明。対症療法のみ。
 その次に多いのが、全身性エリトマトーデスである。若い女性に多く、頬の紅班や関節炎、心、胸膜炎や口腔潰瘍などを起こす慢性病で、神経障害、貧血などを起こす。原因は不明。遺伝やウイルス説がある。

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