堀先生のおべんきょう塾「古事記の神代の巻に」

 神々の系図をお知りになりたい方は、こちらの神々の系図などをご参考下さい。

■造化三神
 この世の始まりは、天も地も時間も空間もない。有るのか無いのかわからない。だだ薄暗いもやもやした状態が果てしなくどこまでも広がって、呼び名もまだありません。そのとき、天の中心から「た・か・あ・ま・は・ら(高天原)と呼ぶ声が聞こえたように思われた。すると、天と地が分かれだし、たくさんの小さな光の粒がこの世界に現れた。それを(1)「アメノミナカノヌシの神」と言う。宇宙の心そのものであるこの神様あらゆるところに満ち溢れておられた為に、誰もその姿をとらえることができません。
 その次に天からくるくる回転しながら(2)「タカミムスヒの神」が現れました。
 次に同じように回りながら現れたのは(3)「カムミムスヒの神」でした。この二柱(フタハシラ)の神々も姿、形は見えませんでした。
 これが宇宙の始まりです。この三柱の神々を「造化三神ゾウカサンジン」と言います。このときはまだドロドロとしてまだ固まってはおりません。

■別天つ神
 この泥沼のような中から美しい若芽の如く、総ての命の素となる神様(4)「ウマシアシカビヒホヂの神」が誕生されました。
 次に(5)「アメノトコタチの神」がお生まれになられ、この二柱の神様がはるか高くまで天を押し広げ支え挙げました。ここまでの五柱の神様たちは「別天つ神コトアマツシン」という特別な神様で男でもなく女でもない独り神ヒトリカミです。

■神代七代
 次に(6)「クニトコタチの神」がお生まれになり、地が永久に動かないようにどっしりと座り込み、大地を守りました。こうして豊かな天と強固な大地が完成し宇宙空間が出来たのです。
 次に(7)「トヨクモノの神」がお生まれになり、真っ白なフワフワした幾つもの星雲に姿を変えられた。ここまでの神様は独り神で性別や姿形もない神様でした。この後、性別ができ男女の神様がお生まれになる。
 まず、(8)「ウイヂニ」妻の(9)「スイチニ」のご夫婦が現れて泥や砂をお生みになり、泥や砂を丸めて宇宙に漂っている星雲に投げ星々の種を作られた。
 次に(10)「ツノグヒ」(11)「イクグヒ」のご夫婦が現れて杭を生んで柵を作り、泥砂の星雲に飛び散るのを防いだ。
 次に(12)「オホトノヂ」(13)「オホトノべ」のご夫婦が現れて星雲と星雲の境界を管理する門や戸を生まれた。
 (14)「オモダル」(15)「アヤカシコネ」のご夫婦が現れて、あらゆるものの陰陽を司り、生産と豊餞の管理をした。
 そして、(16)「イザナギ」(17)「イザナミ」のご夫婦が現れた。
 (6)「クニトコタチの神」~(17)「イザナミ」までの神を「神代七代カミヨナナヨ」という。ここまでは150億年という長い年月をたどったお話です。

■地球の誕生
 ある日、高天原の神々が全員お集まりになり、「イザナギ」「イザナミ」のご夫婦に「天の沼矛アメノヌボコ」を渡し「あの泥海のようにだだよえる国を整え固めよ」と命じ、二人は高天原と下界をつなぐ「天の浮橋」の上から見下ろした。そして「天の沼矛」を降ろしてゆっくりとかき混ぜ、矛を引き上げると矛の先から塩のしずくがしたたり、積もり固まり、やがて塩の球となり、自ずからころころと転がっているので「おのころ嶋」と名づけた。これが地球の誕生である。二人は地球に降りて、最初に「天の御柱アマノミハシラ」(神霊が昇り降りする高い柱)、次に「八尋殿ヤヒロドノ」(お二方ま住まいとなる広い宮殿)を建てた。

■日本の始まり
 「イザナギ」から声をかけ「みとのまぐはひ」(SEX)をされ、次から次に立派な国が生まれた。最初に淡路島アハジノホノサワケが産声を上げ、2番目に体が1つで顔が4つある四国、伊予エヒメ讃岐イイヨリヒコ阿波オオゲツヒメ土佐タケヨリワケ、3番目に、隠岐ノ島アメノオシコロワケ、4番目に九州、筑紫シロヒワケトヨヒワケタケヒムカヒトヨクジヒネワケ熊曾タケヒワケ、5番目に壱岐の島アメヒトツハシラ、6番目に対馬アメノサデヨリヒメ、7番目に佐渡島、最後に本州オホヤマトトヨアキツシマ、吉備の小島、小豆島、大島、姫島、五島列島、双子の島、ようやく国土を生み終えた。その後、お二方は「オオヤシマクニ」に住む神々を産み始められた。土の神、石の神、暗闇の神、海の神……様々な神を生み出しまし、野山には花が咲き雨が降り四季が巡り、日本はにぎやかになり草木にいたるまで神が宿っていました。

■かぐ土の神
 順調にお産をされていましたが、続いて火の神「かぐ土」を産んだ時、「イザナミのみほと」(女陰)に大やけどをし、寝込んでしまい、そして、嘔吐、大便、小便を垂れ流してしまいました。
 すると、そのゲロ、便、尿、からも神様が誕生しました。ゲロからは、鉱山の夫婦神「カナヤマヒコ」「カカヤマヒメ」。便からは、粘土の夫婦神「ハニヤスヒコ」「ハニヤスヒメ」。尿からは水の神「ミツハノメ」と穀物の霊「ワクムスヒ」。このワクムスヒの娘が伊勢外宮に祀られている「トヨタケヒメ」で、日本中の穀類が豊かに実るように守って頂いている神様です。これまでにイザナギ、イザナミの神様は14の島々と35柱の神々を産んでおられます。しばらくして、イザナミが死を迎えました。イザナギは悲しみ泣き続けました。すると、その涙から「ナキサワメ」という物静かな美しい神様がお生まれになりました。この神様は、奈良県の天の香久山の麓「泣沢の森」に鎮まっておられます。

■イザナミの亡き骸
 島根県と鳥取県の境にある比婆の山に埋められました。また、三重県熊野市にある「花の岩窟」にも祀られています。

■かぐ土の神から産まれた神
 イザナミを葬ったイザナギは寂しさがつのるばかりで、「あめのをははり」という「不都の御魂フツノミタマ」が宿っている剣で「かぐ土」の首をはねてしまいました。かぐ土の首は炎をあげながら、くるくると宙に舞いあたり一面を血で真っ赤に染めました。それらの血から八柱の神様が誕生いたしました。刀の切った先に着いた血が落ちて、「イハサク」「ネサク」「イハツツノヲ」の三柱の刀剣の神様が生まれました。次に刀の鍔についた血岩に落ちると、「ミカハヤヒ」「ヒハヤヒ」「タケミカヅチ」の三柱の雷の神様が生まれました。次に柄から溢れた血から、「クラオカミ」「クラミツハ」の二柱の雲や雨を呼ぶ龍の神が産まれました。「不都の御魂」は奈良県の石神神宮イソノカミに祀られています。火の神の体からも神様が誕生いたしました。頭「マサカヤマツミ」、胸「オドヤマツミ」、腹「オクヤマツミ」、男根「クラヤマツミ」、左手「シギヤマツミ」、右手「ハヤマツミ」、左足「ハラヤマツミ」、右足「トヤマツミ」の全部で八柱の山の神様が生まれたのです。

■みそぎで誕生した神様
 イザナミを追って黄泉の国に行き、やっとの思いで黄泉の国からよみがえったイザナギは「私は何と汚い国に行っていたのか。この汚れを払う『みそぎ』をしなくては」と「筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原」にいき、みそぎをするために身に着けているものを脱いだ。その衣類からも神様方が誕生しました。体から黄泉で付いた垢から禍いの二柱の神と、禍を正す三柱の神が誕生した。体を震わせると、海の底、中ほど、水面でそれぞれ「底、中、上、津縮見の神ツワタツミノカミ」、「底、中、上、筒之男の命ツツノヲノミコト」、二柱の合計で六柱の神が誕生しました。このように海や川の中に入り水の霊力によって体に付いた汚れを払う「みそぎ」の風習は、相撲の力士が土俵に塩をまく、葬儀の後の「清め塩」として今も形を変えて伝わっています。

■天照大御神様の誕生
 イザナギはみそぎの最後に顔を洗いました。左眼を洗うと、太陽の神である「天照大御神アマテラスヤヤミカミ」様がお生まれになり、イザナギは「貴方は高天原を治めなさい」と命じられました。右眼を洗うと、月の神である「月読の命ツキヨミノミコト」様がお生まれになり、イザナギは「貴方は夜の国を治めなさい」と命じられました。鼻を洗うと、嵐の神である「建速須佐之男の命タケハヤスサノオノミコト」様がお生まれになり、イザナギは「貴方は海原を治めなさい」と命じられました。この三柱の神々は今までに産んできたどんな神様より光り輝き生命力にあふれていました。イザナギは「私はたくさんの神々を産みつづけてきたが、締めくくりに最も貴い三柱の神々を得た」とたいそう喜ばれました。須佐之男の命様までで、イザナギ、イザナミ様の御産みになられた神々の合計は81柱で9×9=81となり国作りは完成したのである。そこで、高天原の神々から命じられた国作りの役目がすみ、身に着けていた美しい玉の首飾りを「これからのことは頼みました」と「天照大御神」に譲りました。

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